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大企業はイノベーションを生み出す力を失っている
──2018年10月に大ヒットドラマ『下町ロケット』の新シリーズ放映も決まりましたが、改めて、中小企業を取り巻く環境の変化について教えてください。鮫島氏:私は知財を専門とする弁護士として、この十数年、さまざまな政府の委員会に出席し、政策提言の議論に参加しています。そうした活動を通じて風向きが変わってきたと感じています。
10年くらい前までは、国は大企業向けの施策に力を入れてきましたが、ここ数年は特に中小、ベンチャー向けの施策に注力しているということです。
それはなぜかというと、今後、日本でイノベーション、競争力を生み出す担い手は中小やベンチャー企業だろうと認識があり、それが政策転換につながっているからではないでしょうか。その意味で、政策的には、中小企業を取り巻く環境は追い風だというのは間違いありません。
一部を除いて、多くの大企業はイノベーションを生み出す力を失っていると感じます。
──それはなぜでしょうか?
鮫島氏:非連続な成長を遂げる破壊的イノベーションを生み出すには、前例を否定するマインドが必要だからです。その点、大企業は基本的に前例主義です。
ブランドや顧客など守るものが多く、前例を踏襲して成長してきた大企業では仕方がないことですが、中小やベンチャー企業は前例を積み重ねても飛躍的には成長できないことを知っています。その意味で、攻めの姿勢を持ちやすいのは事実でしょう。
──政策面での追い風という環境は理解しました。では、中小企業にとっての課題は何でしょうか?
・自社データを強みとしてビジネスモデルを考えることが必須
・誰もが知るアマゾンの「特許」から何を学ぶべきか
・「下町ロケット」で町工場が大企業に対抗できた理由
・「ベンチャーに寄り添う」企業が成長する機運
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