クラウド化が引き起こすデータ保護製品の「乱立・サイロ化」はどう防げばいいのか
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クラウドの進展により顕在化するソリューションの乱立とサイロ化
ある調査会社が日本企業におけるクラウド・コンピューティングの採用率を調査したところ、結果は平均16.9%だった。この数値を多いと見るか少ないと見るかは意見が分かれるところだが、今後、この数値が上昇することには誰もが同意するだろう。つまり、いずれは(おそらく、あと数年で)オンプレミスの物理/仮想化環境とクラウドのあいだの壁は取り払われ、クラウド上で重要なアプリケーションやデータが当たり前のように扱われるようになる。となると、クラウド上の価値のあるシステムやデータをいかにして守るかが重要なテーマになるのは自明だ。
そこで活躍するのがバックアップソリューションだが、残念ながら、現在のソリューションの多くは、クラウド時代への対応という観点では非常に心許ない。
たとえば、物理環境と仮想化環境で別々のバックアップソリューションを利用していることは珍しくない。ここにクラウドが加わると、さらに別のバックアップソリューションが必要になる。
また、企業の業務システムは複雑になる一方で、それに伴って課題も増え続けており、企業が取り組むべき情報保護、管理という観点においては、データのバックアップだけではなく、次のような多くの課題も併せて包括的に対処しなければならない。
たとえば、データのバックアップは災害対策の一部だし、セキュリティやコンプライアンスとも深い関係がある。しかし、多くのバックアップソリューションは、こうした課題には部分的にしか対応していない。このため、企業は課題ごとに新たなソリューションを追加せざるをえなくなる。
この結果、クラウドの進展とともに環境ごと課題ごとにソリューションが導入され、ソリューションの乱立とサイロ化を招く可能性が高い。こうした現象は、すてに一部の企業では起きつつある。
たとえば、ある企業はBCP対策を策定しようとしたが、物理/仮想/クラウドでバックアップソリューションの機能が異なるため、会社が規定したポリシーを遵守できなかったという。このため、苦し紛れにツールAのバックアップデータをツールBでバックアップして、それを遠隔地に送るといった、非効率的な対応をとらざるをえなかった。
こうした問題は、クラウド利用率が上昇し、ソリューションの数が増えるにつれて、さまざまなところで顕在化してくるだろう。 そして、企業の生産性向上を期待したクラウドも、望み通りの結果を出せないといった悪循環が生まれてしまう可能性がある。
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