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  • 2015/09/08 掲載

「AI人間駆逐論」は乱暴すぎる──AI技術を業務フローに組み込み、最高の生産性を

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人工知能(AI)が注目を増している。その背景の1つには、高度なディープ・ラーニング(深層学習)が実用化されつつあることがある。かつて非力だったCPUパワーの圧倒的な向上や、メモリやディスクの大容量化、そして何よりビッグデータの流通が、AIの進化を後押しているのだ。メタデータの野村 直之氏は、NEC時代にMIT人工知能研究所でマービン・ミンスキー氏らと仕事を共にし、ジャストシステムにて知識検索システム「ConceptBase」の文章要約エンジン(サマライザー)を開発するなど、自然言語処理の研究を一貫して続けてきた大家の一人だ。同氏は「現在のビジネスシーンでは、人間とAIが得意な領域で協調することで、最高の生産性と最適化を実現する業務フローに組み換えていく必要がある」と指摘する。


AIは人間を凌駕し、そして駆逐してしまうのか?

 今、第3次とも言えるAIブームが到来している。これから世の中にAIが浸透し、夢のような世の中になっていくという論調がある一方で、「やがてAIが人間の能力を超えてしまい、人を支配しはじめたり、自分たちの職業が奪われてしまう世界がやってくるかもしれない」というセンセーショナルな脅威論を唱える著名な実業家や科学者もいる。

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メタデータ
代表取締役社長 理学博士
野村 直之氏
 しかし野村氏は「今、巷で蔓延っている“AIによる人間駆逐論”は少し乱暴すぎる議論だと思います。人間の脳と同じような働きをする“強いAI”は研究の途上にあり、まだ人間のような意識や、好奇心、飽き、反感、衝動といった感情を備えるまでには到底至っていません」と説明する。

 オックスフォード大学の論文では「主にホワイトカラーの業務や職人的な仕事の約半分が、あと10年間で機械にとって代わられる」と予測している。実際に近い将来、コンピュータに代替される仕事も出てくるかもしれないが、人間ならではの知的・論理的な洞察力や、結論を推論力、高度な判断を下す能力が求められる仕事、感性に訴える芸術などの仕事は今後も残り続けるだろう。

 現在のビジネスシーンでは、人間とAIを一方的に排除するのではなく、それぞれが得意な領域で協調することで、最高の生産性と最適化を実現できるように、業務フローを新しく組み換えていくことが求められているという。

 たとえば「シフト勤務」の組み換えは、一見すると簡単な問題に思われるかもしれない。しかし、いわゆる「巡回セールスマン問題」(複数の客先を最短ルートで巡る問題)と同様に、まともに組み合わせを計算すると膨大な時間が掛かってしまう。

「香港の地下鉄会社では、AIを導入することで、このシフト勤務の延長となる当日の業務フローと担当者の組み換えを実現しています」(野村氏)

 すでに工場内にもAIの導入が始まっているという。日本が誇る「セル生産方式」は、複雑な製品の全行程を一人で受け持ち、作業効率を向上させることに一役買っているが、作業者が孤独になるという課題も抱えている。「そこで作業者がAIのパートナーと対話し、自身の思考回路を刺激してくれる仕組みが導入されている工場もあります」と野村氏は指摘する。

 ここでの事例はごく一部だが、これからAIはあらゆるビジネス分野に浸透していくはずだ。その際、新しい市場を創出し、マネタイズしてくれるのが「弱いAI」と呼ばれる分野だ。野村氏は「弱いAIは、人間と機械を取り持ち、人間の能力を強力にエンハンス(拡大)したり、創造性を引き出すスティミュレータ(刺激物)として機能するものです」と強調する。

どこに“鉱脈”があるのか、人間が高度な判断を下す

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