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ソフトバンク コマース&サービス株式会社
ICT事業本部MD本部ネットワークビジネス統括部
櫻井 利卓 氏
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ソフトバンク コマース&サービス株式会社
ICT事業本部MD本部C&S技術統括部
ソリューションテクノロジー部技術支援1課
柴山 弘 氏
仮想化環境を構築するうえで留意すべきは、運用管理の効率化にある。サーバ統合を進めた結果、サーバとネットワーク、ストレージをそれぞれ接続するケーブル配線数が増加したり、ネットワーク・リソースの管理が複雑になったりしては本末転倒だ。特に、IT管理部門に十分なリソースを割けない中堅小規模企業にとっては、運用効率のよい仮想化環境を構築できるかどうかで、ビジネスに大きく影響するといっても過言ではないだろう。
こうした課題を解決するのが、2009年にシスコがリリースした「Cisco UCS」である。“統合コンピューティング”という思想の基に設計されたCisco UCSは、サーバ、ネットワークアクセス、ストレージアクセス、仮想化環境を論理的に1つのシステムに統合した、仮想化/クラウド環境基盤サーバだ。
MD本部ネットワークビジネス統括部の櫻井利卓氏は、「Cisco UCSは仮想化技術の利用を前提とし、最適な仮想環境プラットフォームを構築する機能やツールが備わったシンプルなサーバです」と説明する。
Cisco UCSの特徴は、下記の3つに大別される。
シンプルなシステム構成を実現しているのが、「ユニファイド・ファブリック」だ。これは、10Gbpsという広い帯域とFCoE(ファイバーチャネル・オーバー・イーサネット)という技術を活用してEthernet上にトラフィックを混在させてネットワークをシンプルにするアーキテクチャである。サーバがトラフィックの種類を自動的に判別/処理するので、例えば、ネットワークのトラフィックとストレージのトラフィックを同一ケーブルで伝送することも可能だ。これにより、従来のサーバシステムよりも、ケーブル数や設定作業工数の大幅な削減を実現している。システムを構成するコンポーネントは4種類で、必要なネットワークケーブルは最少で2本という超シンプル構成となっている。
プロセッサにはインテルの「Xeonプロセッサ ファミリー」を採用。メモリはサーバあたり最大6TB(テラバイト)まで拡張可能なモデルもあり、システム全体での高パフォーマンスを実現している。
仮想環境――中でもVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を構築するうえで考慮すべきは、拡張性である。特に急成長している中堅企業にとって「今後3年間でどのくらいのユーザーが増えるか」を予測することは難しい。サーバを拡張するごとにリソースの割り当てを変更したり、仮想環境を再設定したりしなければならないとなれば、ビジネスに大きな支障を来す。
「Cisco UCS Manager」は、システム・リソースを統合的に管理する無償ツールだ。サーバのBIOS情報やMACアドレス、VLAN情報など、ハードウェアと密接な情報をハードウェアから切り離して抽象化し、プロファイルとして保持する「サービスプロファイル」という機能が大きな特徴となっている。
サービスプロファイルは、あらかじめ用意されたテンプレートにサーバのシステム構成情報(プロファイル)を記録しておき、利用状況の変化に応じて、システム・リソースを割り当てられる機能だ。
MD本部 C&S技術統括部ソリューションテクノロジー部 技術支援1課 柴山 弘氏は、「単純にサーバのスペックと価格だけを比較すれば、どうしても横並びになってしまいがちです。しかしCisco UCSは、その仮想環境の再設定や物理的な配線変更作業が最小限で済むように考慮されており、構成変更が迅速に実行できます。拡張性が必要な環境ほど、その優位性が発揮されるのです」と語る。
中堅企業において、サーバの拡張性は重要な意味を持つ。VDIの導入は、最初に特定部門に試験導入し、その効果を図りながら段階的に導入範囲を広げていくのが一般的だ。そのような状況で高い拡張性を持つサーバを導入することは、大きな意味を持つ。
Cisco UCSは、高い拡張性を有しています。『Cisco UCS Manager』を利用すれば、サーバの追加によるシステムの拡張が極めて柔軟に行えるのも特長です。(櫻井氏)