ここにきて、厳しい経済状況にも徐々に明るさが見えてきたようだ。現実に、これまで凍結されていたプロジェクトが動き始めるなど、企業の投資活動にも変化の兆しが感じられる。ただし、厳しい環境をくぐり抜けてきた企業がIT投資を見る目は、以前とは異なっていると富士通マーケティング 東日本営業本部 関東支社 公共ソリューション営業部 宮野寛之氏は指摘する。

「リーマンショック以前は、投資回収期間や導入効果がそれほど明確でなくてもIT投資されていた企業は少なくありませんでした。しかし、厳しい経済状況をくぐり抜けたことで、IT投資を見る企業の目は非常にシビアになっています。一方で、経済のグローバル化、プロダクトサイクルの短縮化といった激しい環境変化に対応するため、企業は不断の戦略見直しに迫られています。それにはITが不可欠です。その結果、導入効果が明確で、納得できるシステムには投資しても、そうでないシステムへの投資は見送るという傾向が、よりいっそう鮮明になっていると感じています。」（宮野氏）

　こうした中、ITの導入効果を明確化したいという企業ニーズにこたえてきたのが、富士通マーケティングのフリーコンサルティングである。サービスの全体像について、富士通マーケティング ビジネス企画推進本部 市場戦略統括部 ビジネスイノベーション部 反後智博氏は次のように説明する。

「弊社の無償コンサルティングサービスは、2003年からスタートし、大きく3つに分かれています。第一が、『フリーコンサルティング』です。これは、企業の経営環境の整理、問題点の抽出、原因分析、解決方向性の策定までを実施します。第二が投資効果を数値で明確化する『情報投資効果提案』です。そして第三が、『中長期IT計画の策定』です。お客様の必要に応じて、特定のサービスだけ利用していただいても、複数のサービスを組み合わせいただいてもかまいません。」（反後氏）

　実際に、同社の無償コンサルティングサービスを受けた企業は、約3,000件を超えるという。これだけの実績を積み上げた背景には、無償にもかかわらず、非常に質の高いサービスが提供されていることがある。次に、3つのサービスの詳細について見ていこう。