「日本人初の非開発者系MVP」が語る、Salesforceエンジニアの成長環境
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C言語でCGを描いていた中学生が、SalesforceのMVPになるまで
「あるとき、突然、中学にコンピュータ部ができ、ファミコンしか使ったことがなかったのに『面白そう』と思って入部しました。部員は3名で、部長は私。顧問は美術の先生で、当時はC言語を使ってコンピュータグラフィックスを描いていました。そこでコンピュータを使って創作する楽しさに目覚め、そのまま情報系の高校、大学と進みました」(鈴木氏)
そして、鈴木氏は2000年にNTTテクノクロスの前身であるNTTソフトウェアに入社し、2年目までは海外製のECパッケージを用いたECサイトの構築、3年目からはECサイトを立ち上げるプロジェクトに参画するなど、主にBtoC向けの業務に従事した。
その後は、NTTの研究所で次世代ネットワークの開発なども経験し、2007年からはコンタクトセンター系のシステム構築をする部門で、音声系のシステムについても一通り知見を得たという。
そして、2008年からSalesforceを用いたコンタクトセンターシステム構築のチームリーダーとして従事し、2015年からその経験を活かした「エバンジェリスト活動」をスタートさせた。
「上司と約束したのが、『3年以内にMVPを取る』ことでした。当時は何をしたら良いのかも分かっていなかったのですが、セールスフォースさんにも話を聞きながら、コミュニティを立ち上げたり、ユーザーグループのリーダーになったりして活動を続け、2017年に非開発系では日本人として初めてのMVP受賞者となることができました」(鈴木氏)
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MVPは1年ごとに審査されるが、鈴木氏はこれを5年連続で受賞し、昨年、「殿堂入り」を果たしたという。
3人×3カ月で給付金システム構築、Salesforceの輝く未来を確信
「2009年に国の施策で18歳未満もしくは65歳以上の方に一定の給付金が支給されることが決まり、その受付を全国の市区町村で行うことになりました。そして、地方自治体(3つの市)において、我々がSalesforceを使った給付申請受付システムを構築することになったのです」(鈴木氏)
しかし、そのスケジュールと体制は想像を絶するものだったという。というのも、プロジェクトの開始が2009年の1月で、給付金の受付開始は2009年の4月だった。つまり、3カ月でシステムを構築して、3つの市に同時に導入する必要があった。
「プロジェクトのメンバーは私を含めて3名でした。Salesforceが普及した現在から見ても、かなり“特殊な”案件だったのです」(鈴木氏)
最も苦労したのが、住民基本台帳の情報をSalesforceに取り込むところだったという。日本特有の「外字」を一定のルールで変換するツールを作成するなど、さまざまな工夫が必要だったためだ。ただ、受付システム自体は、Salesforceのノーコード・ローコードプラットフォームを最大限に活用した構築手法が取れたため、日々システムが出来上がっていく様はとても壮観だったという。
「最終的に、3カ月でシステムを構築し、無事、4月から稼働を開始するのですが、インフラの構築、ミドルウェアのインストール・設定、要件定義、基本設計……といった従来の手法だととても不可能だったと思います。稼働を迎えた日、Salesforceの明るい未来を確信したことを鮮明に覚えています」(鈴木氏)
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Salesforceは社会インフラ基盤、だからこそ身につく汎用スキル
そのSalesforceは、年に3回バージョンアップする。それも、単なる機能強化にとどまらず、従来の考え方がガラリと変わるようなバージョンアップも珍しくない。最近であればAIやData Cloudのようなデータ中心の考え方なども、その典型だ。
このバージョンアップに追随していくことはとても大変だ。ただし、しっかりと追随できれば、そのビジネス的な価値は非常に高く、Salesforceエンジニアとしての価値も高く維持できる。
「Salesforceは社会インフラの基盤になっています。したがって、特定の業界でしか使われていないパッケージやシステムを勉強するよりも、Salesforceを勉強したほうが、ずっと汎用的なスキル・経験を身につけられます。簡単に言えば『将来のキャリアパスが広がりやすい』のです」(鈴木氏)
ただし、Salesforceも1つのパッケージであることには変わりない。そのため、そのままでは使いづらい。だからこそ、お客さまの業務を知り、最適な“ピースのはめ方”を習得しなければならない。そのためには、「色々な経験を積む必要がありますし、人と人とのコミュニケーション、コミュニティなどのネットワークも重要になるのです」と鈴木氏は語る。
Salesforceエンジニアの成長環境、NTTテクノクロスが最適な理由
インフラ基盤であるということは、ほかのシステムとの連携や組み合わせが重要であることを意味する。インフラ基盤を土台として、さまざまなニーズに合わせたシステムが構築されるからだ。
「その意味で、Salesforceエンジニアとして成長したいなら、NTTテクノクロスはとても良い環境だと私は思います。なぜなら、NTTテクノクロスはSalesforce専業の企業ではないからです」(鈴木氏)
たとえば、同社はNTTグループであり、電話系のシステムに強いという特徴がある。そのため、Salesforceと電話を組み合わせたコンタクトセンターのシステム構築を得意とする。
また、NTTの研究所のさまざまな研究成果も活用できる。たとえば、同社の「ForeSight Voice Mining」は、NTTの研究所の研究成果をもとに開発されたソリューションで、音声のテキスト化はもちろん、話者の会話の内容や状況を分析できる。日本人は怒ってもあまり怒鳴ったりしない。平静に聞こえても、実はその裏側に強い怒りが隠れていることが多いが、「ForeSight Voice Mining」ならそれも分析できる。
そして、コンタクトセンターの構築では、Salesforceと電話、そして「ForeSight Voice Mining」を組み合わせることが増えているという。顧客満足度を重視する企業にとって、お客様との会話の内容や状況を分析できる「ForeSight Voice Mining」は、非常に価値の高いソリューションなのだ。
「もちろん、これは一例です。当社には、ほかにもさまざまなソリューション、技術があります。したがって、Salesforceを軸に、多様な新しい価値を作り出し、お客さまに提供できる環境がそろっています。これは、Salesforceの専業企業には決してできない、NTTテクノクロスだけの強みだと思います」(鈴木氏)
研修や資格取得、海外イベント…エンジニアの成長を強力支援
また、Salesforceプロジェクトに限らず、プロジェクトの運営に必要なプロジェクトマネジメントスキルや、セキュリティ、ネットワークなどITに関するスキルを含む、システム開発に必要なスキル研修を年間を通じて実施している。
さらに、年に数回実施されるSalesforceの海外イベントに参加できるチャンスもある。
「2024年9月サンフランシスコで開催されたDreamforceには、中途入社2年目の若手社員にも参加してもらいました。2025年3月には、別のイベントも開催されますが、そこにも数名に参加してもらう予定です。Salesforceエンジニアとして技術を研さんしたいなら、とても魅力的だと思います」(鈴木氏)
Salesforceエンジニアを目指して入社した後、ほかの部門を希望することもアリだ。実は、先に紹介した「ForeSight Voice Mining」とSalesforceを連携させる取り組みも、もともとSalesforceを扱う部門にいたエンジニアが「ForeSight Voice Mining」の部門に異動した後、「Salesforceと連携したら面白いのでは」と着想を得て、実現したのだ。ちなみに、その人物は鈴木氏の後継となるSalesforceエバンジェリストの有力候補だという。
「もともと、NTTテクノクロスの社名には、テクノロジーをクロスして価値を生み出すというメッセージが込められています。その意味でも、当社には、Salesforceエンジニアが自分自身の新しい価値を見つけられる環境がそろっていると思います。Salesforceエンジニアとしての可能性を切り拓き、さらに成長したい皆さん、ぜひ私たちといっしょに働いてみませんか。私も全力で応援します」(鈴木氏)
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■鈴木氏は本誌で連載を持っていただいております!こちらもぜひご参照ください
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