開封したらゲームオーバー、怖すぎる「標的型攻撃」に「多層防御」が超有効なワケ
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標的型攻撃の事例と被害の重大度
たとえば事例として挙げられるのは、情報流出型のインシデントだ。ターゲットとなったのは、某公的機関の職員。送られてきたメールには、受信者の名前や取引先の名前などが記載され、あたかも関係者から送られてきたように偽装されていた。受信者は、通常の業務メールと勘違いをして開封し、マルウェアに感染して100名以上の個人情報を流出させてしまったという。
近年、非常に有名になっている「Emotet」と呼ばれるマルウェアに感染した事例もある。Emotetは一度、収束したと言われていたが、2022年2月に再流行した。某通信事業会社の社員がEmotetに感染し、その端末は踏み台として利用され、別の会社にも攻撃が行われてしまった。Emotetは、その端末や会社だけでなく、他社にまで被害を及ぼすのだ。
独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンターによると、コンピューターウイルスと不正アクセスに関する届出のうち、マルウェアの感染数は、2021年が878件だったのに対し、2022年は500件に大幅に減少している。しかし、実被害の件数は、2021年の62件から、2022年は188件へと増加しており、被害の重大度や影響が非常に大きいことが理解できる。
このように標的型攻撃の脅威が増す中で、システムによる標的型攻撃の対策が企業にとって急務となっている。では、被害に遭わないためには具体的にどのような対策を講じれば良いのだろうか。以下で詳しく解説する。
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・標的型攻撃の「2つの手法」とは
・標的型攻撃には「多層防御」が必要なワケ
・包括的な脅威対策で「入り口対策」も実現
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