ランサムウェア対策の勘違いと落とし穴、被害に遭った「本当の原因」とは?
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サイバー攻撃の分業化やサプライチェーン攻撃がトレンドに
近年、システム内の機密情報を暗号化し、その解除と引き換えに身代金を要求する「ランサムウェア」をはじめとするサイバー攻撃が急増し、企業規模問わず甚大な被害をもたらしている。これほどまでにサイバー攻撃が増加している背景にはいくつかの要因がある。1つは、ロシアのウクライナ侵攻のような社会・経済情勢の不安定化だ。以前から情勢が不安定になるとサイバー攻撃が増加する傾向が見られたが、今まさにその状況が起きている。
もう1つの要因は、サイバー攻撃の分業化だ。たとえば、システムへの侵入を専門にする「Initial Access Broker」(イニシャルアクセスブローカー)と呼ばれる集団と、ランサムウェアを開発してサービスとして提供する「Ransomware as a Service」(RaaS)が手を組み、企業へ攻撃を仕掛けるケースである。この場合、攻撃者自身に専門知識や技術がなくても、RaaSを購入すれば攻撃を仕掛けることができるため、サイバー攻撃を行うハードルが下がる。
ランサムウェアだけでなく、もう1つ留意すべき傾向がある。それは大企業だけでなく、サプライチェーンを構成する企業を狙った攻撃だ。
大企業ならば人材やリソースが豊富で、セキュリティも比較的強固になっている。そのため攻撃者は、大企業を直接攻撃するのではなく、そのシステムとつながる関連会社や取引先といったサプライチェーンを攻撃し、それを足掛かりに本丸である大企業のシステムを狙う傾向にある。実際に国内でも、取引先経由で侵害を受け、業務に影響を受けてしまう例が複数発生している。
今や「うちのような小さな会社は狙われない」といった言葉は通用しない。この状況を踏まえ、エンタープライズレベルのセキュリティを、いかにリソースが足りない企業にも広げていくかが大きな課題といえるだろう。
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