- 2024/09/09 掲載
中国CPI、8月は異常気象で伸び加速 PPIは下落続く
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した8月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)の伸びが半年ぶりの高水準に加速する一方、生産者物価指数(PPI)は引き続き下落した。
CPI上昇加速の主因は内需拡大ではなく、異常気象による食品価格の上昇。統計局の担当者は、8月のCPI上昇は高温と豪雨が要因だと説明した。今夏は大洪水から猛暑に至る異常気象が農産物価格を押し上げた。
住宅不況の長期化、失業率の高止まり、債務問題、貿易摩擦の高まりに直面する中、中国政府は内需喚起に向けたさらなる政策が求められている。
8月のCPIは前年比0.6%上昇し、半年ぶりの高い伸びだった。天候不順による食品価格の値上がりが要因。7月は0.5%上昇、ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.7%上昇だった。
前月比では0.4%上昇。7月は0.5%上昇、予想は0.5%上昇だった。
8月のPPIは前年比1.8%下落した。前月は0.8%下落、予想は1.4%下落だった。
8月の食品価格は前年同月比2.8%上昇、7月は横ばいだった。8月の非食品インフレ率は0.2%と7月の0.7%から緩和した。
変動の激しい食品と燃料の価格を除いたコアインフレ率は0.3%で、7月の0.4%から低下した。
<デフレ懸念>
コファスの北アジア担当エコノミスト、Junyu Tan氏は「予想より弱い内容でデフレ懸念を緩和するものではなかった」とし「(政府の消費喚起策は)影響が浸透するまでに時間がかかる。需要が物価を押し上げる状況がまだ視界に入っていないことは明らかだ」と述べた。
統計発表を受け、市場では景気に対する懸念や追加緩和を求める声が強まり、長期債利回りが過去最低水準に低下。人民元が対ドルで下落した。中国株式市場は下落して前場を終えた。
中国人民銀行(中央銀行)前総裁の易綱氏は6日、上海で開催された「外灘金融サミット」に出席し、中国はデフレ圧力との闘いに注力すべきだと述べている。
コファスのタン氏は「現在のデフレ圧力は結局は余剰生産の問題だ。生産は依然、需要を上回っている」と指摘。
キャピタル・エコノミクスのアシスタントエコノミスト、Gabriel Ng氏は「内需は今後数カ月、財政支出の拡大で上向くだろう。だが、政府の政策は依然として投資に偏り過ぎており、財政支出が増えれば結果的に過剰生産能力の問題が悪化しかねない」と述べた。
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