- 2024/08/31 掲載
NY市場サマリー(30日)ダウ最高値、ドル高 国債利回り上昇
米商務省が30日発表した7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月と変わらずだった。
LSEGによると、米金利先物市場は来月50bpの大幅利下げが行われる可能性は31%とみており、前日の35%から低下。FRBが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で4年余りぶりとなる利下げを決定することを完全に織り込んでいる。年内に計約100bpの利下げが行われるとの見方も強い。
米PCEを受けて、ドルは対円で0.8%高の146.09円。週間では1.2%上昇し、6月中旬以来最大の上昇となる見込み。
スパルタン・キャピタルのチーフマーケットエコノミスト、ピーター・カーディロ氏は、利下げがあるのは明らかだが、それが25bpか50bpかはまだ議論の余地があるとし、「すべて来週の雇用統計次第だろう」と述べた。
主要通貨に対するドル指数は、PCE発表後10日ぶりの高値に上昇し、取引終盤では0.3%高の101.7となった。週間では1%上昇し、週ベースでは4月初旬以来の最高値となる見込み。
同じくこの日発表された米ミシガン大消費者信頼感指数は67.9となり、5カ月ぶりに改善。1年後のインフレ期待は2.8%で、2020年12月以来の低水準となった。
この発表後、ドルが一時上昇幅を縮小する場面もあった。
他の通貨では、ユーロが対ドルで0.2%安の1.1050ドルとなった。
米国の利下げ観測が高まる中、企業による人民元需要が高まり、人民元は対ドルで14カ月ぶりの高値に上昇。人民元は対ドルで7.0920元となった。一時1ドル=7.0825元まで上昇した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 利回りが上昇し、指標となる10年債利回りは2週間続いた低下から反転する見通し。この発表された経済指標により、米連邦準備理事会(FRB)が9月会合で従来予想されていた幅の利下げを決定する公算が大きいとの見方が強まった。
米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月と変わらずだった。
セージ・アドバイザリー(テキサス州オースティン)の共同最高投資責任者、トーマス・ウラノ氏は、市場の注目はインフレよりも雇用へとシフトしつつあると指摘。「市場はインフレが正しい方向に進んでいると確信しているようだ」と述べた。
10年債利回りは3.8ベーシスポイント(bp)上昇の3.905%。週ベースでは3週間ぶりの上昇となる見込みだが、月ベースでは4カ月連続の低下になるとみられる。
2年債利回りは3.2bp上昇の3.925%。
景気期待の指標とされる2年債と10年債の利回り格差はマイナス2bpとなった。
30年債利回りは4.4bp上昇の4.196%。
市場は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25bpの利下げが行われることを完全に織り込んでいる。ただ、CMEのフェドウオッチによると、米PCEの発表を受けて、50bpの大幅利下げの確率は30.5%に低下した。前日は34%だった。
同じくこの日発表された米ミシガン大消費者信頼感は67.9と、5カ月ぶりに改善。1年後のインフレ期待は2.8%で、7月の2.9%から低下し、2020年12月以来の低水準となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.046%、10年物が2.154%となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 上昇し、ダウ工業株30種は前日に続き終値ベースで最高値を更新した。米個人消費支出(PCE)価格指数を受け、大幅利下げ観測が後退したことで、アマゾン・ドット・コムやテスラなどに買いが入った。ただ、3連休を控え商いは薄かった。
商務省発表のた7月のPCE価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月と変わらずだった。
ニューエッジ・ウェルスの最高投資責任者(CIO)キャメロン・ドーソン氏は「米経済のソフトランディング(軟着陸)の兆候が改めて示された」とし、「冷え込みもなく、過熱もない『ゴルディロックス』的な適度な状況で、市場はまさに望んでいたものを手に入れた」としている。
CMEフェドウオッチによると、米連邦準備理事会(FRB)は9月の会合で0.25%ポイントの利下げを決定するとの予想が大勢。PCE価格指数を受け、0.5%ポイントの利下げの確率は一段と低下した。
この日はS&P500の全11セクターが上昇。
月初からの上昇率は、S&P総合500種が2.3%、ダウ工業株30種が1.8%、ナスダック総合が0.6%。
個別銘柄では、アマゾンとテスラがそれぞれ3%強上昇。
半導体大手エヌビディアは1.5%高。28日に発表した決算を受け、29日の取引では6.4%下落していた。
エヌビディアと共にAI(人工知能)関連銘柄と見なされるデル・テクノロジーズは4.3%高。デルは前日、通年の売上高・利益見通しを上方修正した。
半導体大手インテルは約10%高。合併などを含む選択肢を検討していると伝わったことが買い材料となった。
S&P500構成銘柄では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を6.6対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は112億株。直近20営業日の平均は114億株。
米株式市場は9月2日はレイバーデーのため休場となる。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米物価指標の発表を受けたドル高・ユーロ安や米長期金利の上昇を背景に売りが 膨らみ、反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比32.70ドル (1.28%)安の1オンス=2527.60ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米大幅利下げ観測の後退を受けて売りが活発化し、反落した。米国産標準油種W TIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.36ドル(3.11%) 安の1バレル=73.55ドル。週間では1.71%の下げ。11月物は2.02ドル安 の72.65ドルだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 #VALUE!
始値 145.29
高値 146.24
安値 145.24
ユーロ/ドル NY終値 #VALUE!
始値 1.1079
高値 1.1088
安値 1.1045
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時46分 100*27.00 4.2001%
前営業日終値 101*22.00 4.1510%
10年債(指標銘柄) 16時45分 99*22.50 3.9111%
前営業日終値 100*02.00 3.8670%
5年債(指標銘柄) 16時39分 99*20.00 3.7079%
前営業日終値 99*25.75 3.6680%
2年債(指標銘柄) 16時38分 99*21.75 3.9186%
前営業日終値 99*23.25 3.8930%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 41563.08 +228.03 +0.55
前営業日終値 41335.05
ナスダック総合 17713.62 +197.19 +1.13
前営業日終値 17516.43
S&P総合500種 5648.40 +56.44 +1.01
前営業日終値 5591.96
COMEX金 12月限 2527.6 ‐32.7
前営業日終値 2560.3
COMEX銀 12月限 2914.3 ‐84.6
前営業日終値 2998.9
北海ブレント 10月限 78.80 ‐1.14
前営業日終値 79.94
米WTI先物 10月限 73.55 ‐2.36
前営業日終値 75.91
CRB商品指数 277.0322 ‐2.8482
前営業日終値 279.8804
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