- 2024/08/30 掲載
米デル、通年見通しを上方修正 旺盛なAIサーバー需要で
Jaspreet Singh
[29日 ロイター] - 米デル・テクノロジーズは29日、通年の売上高・利益見通しを上方修正した。エヌビディアの高性能チップを搭載した人工知能(AI)向けサーバーの需要増加が背景。引け後の時間外取引でデルの株価は約3%上昇した。
デルは通年売上高見通しを従来の935億─975億ドルから、955億─985億ドルに引き上げた。また、通年調整後1株利益見通しを7.80ドル(プラスマイナス0.25ドル)とし、従来予想の7.65ドルから引き上げた。
この日発表した第2・四半期(8月2日終了)決算は、売上高が約9%増の250億3000万ドルで、LSEGデータに基づくアナリスト予想平均の241億4000万ドルを上回った。調整後1株利益は1.89ドルで、予想の1.71ドルを上回った。
AIに最適化されたサーバーへの需要は前期比約23%増の32億ドルとなった。AIサーバーの受注残は38億ドルだった。
ストレージやソフトウエア、サーバーなどを扱うインフラストラクチャー・ソリューションズ・グループの売上高は約38%増の116億5000万ドルで、過去最高を記録した。
ジェフ・クラーク最高執行責任者(COO)は決算発表後の電話会見で、「多くの企業が依然としてAI導入の初期段階にあり、法人向けは当社にとって引き続き重要な機会となる」と述べた。
また、世界各国政府とデルの強力な関係を活用することで、国家が独自にAIを構築・運用する「ソブリンAI」に新たな機会が生まれるとの見方を示した。
一方、パソコン(PC)関連の顧客ソリューションズ・グループの売上高は約4%減の124億1000万ドルだった。
ガートナーのアナリスト、北川美佳子氏は、デルが第2・四半期に複数の主要PC出荷市場でシェアを落としたと指摘。デルは米ビジネス市場ではトップベンダーだが、競合他社が1年前よりもシェアを伸ばしていると述べた。
ただ、AI搭載パソコンは企業顧客の需要が旺盛で、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」のサポート終了を控える来年には強力なアップグレードサイクルが見込まれている。
第2・四半期にはリストラ関連費用として3億2800万ドルを計上した。
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