- 2024/08/28 掲載
米株オプション市場、エヌビディア決算発表後の資金移動は過去最大と予想
[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米株式オプション市場では、半導体大手エヌビディアの株価が、第2・四半期(5―7月)決算発表翌日の29日に約9.8%変動すると見込まれていることが、ORATSのデータで明らかになった。
この予想変動率は、過去3年間のエヌビディア決算発表前のどの時点よりも大きく、同期間の決算発表後の平均変動率8.1%も上回っている。
エヌビディアの時価総額がおよそ3兆1100億ドルなので、9.8%の変動であれば金額にすると約3050億ドルが動く計算となる。決算を受けた値動きとして、今までにはこれほど大きな金額になった銘柄は見当たらないという。
同社製半導体は人工知能(AI)に不可欠な存在となっているため、その値動きは米国株全体にも大きな影響を及ぼす。実際S&P総合500種の年初来上昇率18%の4分の1前後は、エヌビディアの値上がりが寄与している。
インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「エヌビディア1社だけでS&P総合500種(企業)の収益力全体に多大な貢献をしている。まさに市場を支える巨人だ」と述べた。
オプション市場は、決算発表後にエヌビディアの株価が急落して痛手を被るリスクよりも、急騰した場合の利益を逃すリスクをより警戒しているもようだ。
サスケハナ・ファイナンシャルの分析に基づくと、30日までに株価が20%強上がる確率は7%、20%強下がる確率は4%と想定されている。
ソスニック氏は「(企業決算発表前には)市場参加者はヘッジ商品や保険を買いたがるのが普通だが、エヌビディアのケースではFOMO(Fear Of Missing Out=取り残される不安)に対する保険が大部分を占めている」と指摘し、買い遅れが心配されているとの見方を示した。
こうしたオプション市場の姿勢は、エヌビディアの株価が過去に大きく振れてきたという事実を反映している。
トレード・アラートのデータをロイターが分析したところでは、エヌビディアの30日間のヒストリカル・ボラティリティーは、時価総額1兆ドル超の他銘柄全ての平均を約2倍も上回っているという。
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