- 2024/08/27 掲載
米スーパー大手合併訴訟、独禁当局と全面対決
[ポートランド(オレゴン州) 26日 ロイター] - 米スーパーマーケット大手のクローガーとアルバートソンズの合併計画を巡り、独占禁止当局の米連邦取引委員会(FTC)などが計画阻止を求めた訴訟の第1回口頭弁論が西部オレゴン州ポートランドの連邦地裁で開かれ、原告側はFTCが小売業界や、同2社の置かれた状況を「いずれも分かっていない」と突き放し、全面対決の様相となった。
同計画は250億ドル規模の大型合併で注目度が高く、傍聴席は満席となった。原告はFTCのほか、アリゾナやカリフォルニア、イリノイ、メリーランド、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、ワイオミングの計8州のほか、首都ワシントン(コロンビア特別区)が名を連ねる。ワシントン州とコロラド州は別途、同様訴訟を提起し、初回弁論を控えている。
この日の冒頭陳述で原告側は「本件合併計画を阻止すれば、食料品価格の上昇を抑え、品質向上とイノベーションをもたらす活発な競争が維持される」と主張。合併によって食料品は値上がりが加速し、食料品労働者の団体交渉力は低下すると批判した。
これに対し被告側は、アルバートソンズの食料品価格は現在、クローガーより10―12%高いものの、合併に伴って食料品の一部は即座に値下がりするだろうと反論。さらに、ウォルマートやコストコ、アマゾン・ドット・コムとの競争で生き残るには合併が必要だと陳述した。
バイデン政権は小売価格の引き下げを掲げており、大統領選でも食料品の値上がりが焦点化しているだけに訴訟への関心は高い。また、FTCのリナ・カーン委員長が反トラスト法(独占禁止法)を活用して労働者の賃金と労働移動の柔軟性を高めようとしており、訴訟の行方はその重要な試金石ともなっている。
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