- 2024/08/24 掲載
NY市場サマリー(23日)株価急反発、ドル下落 利回り低下
パウエル議長は年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、雇用への下振れリスクが高まったとし、インフレがFRBの目標である2%に向かいつつある中、政策を調整する「時期が来た」と述べた。
パウエル議長の発言を受け、市場ではFRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動くとの観測が上昇。引き続き9月に25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われるとの見方が強いものの、50bp利下げの確率が約3分の1と、講演前の4分の1超から上昇した。
ユーロと円は上昇。主要通貨に対するドル指数は0.81%安の100.64となった。
この日、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁はCNBCのインタビューで、FRBの利下げを明確に求める準備はできていないものの、金融政策はかなり引き締まっており、現在の経済状況にそぐわないとの見解を示した。
ポンドは終盤の取引で0.94%高の1.3211ドル。一時、2022年3月下旬以来約2年ぶりの高値となる1.32295ドルを付けた。
朝方発表された8月の英消費者信頼感指数がマイナス13と、34カ月ぶりの高水準だった7月から横ばいとなったことも支援材料になったとみられる。
ユーロは0.75%高の1.1195ドル。
ドル/円は今月6日以来の安値に沈んだ後、1.36%安の144.27円近辺で推移した。
ドルは対スイスフランでは0.52%安の0.848フラン。
米ドル/カナダドルは0.82%下落し1.3511カナダドルとなった。
豪ドル/米ドルは1.36%高の0.6795米ドル、ニュージーランドドルも1.53%高の0.6229米ドルとなった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.2%高の6万3227.00ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の次回会合で利下げが決定される可能性が高いとこれまでで最も強く示唆したことを受け、国債利回りが全面的に低下した。
パウエルFRB議長は年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で行った講演で、インフレはFRBの目標である2%に向かいつつあるため、政策を調整する「時期が来た」と言及。FRBの「仕事はまだ完了していない」としつつも、物価安定回復に向け「かなりの進展を遂げた」とし、「インフレが2%回帰に向け持続可能な軌道に乗っているという確信が強まった」と述べた。
これを受け、FRBは9月に通常よりも大きい幅での利下げを決定するとの観測が高まり、市場が見込む0.50%ポイントの利下げが決定される確率は37%と、前日の約25%から上昇した。
終盤の取引で10年債利回りは6.1ベーシスポイント(bp)低下の3.801%。
金利見通しを反映しやすい2年債利回りは9.7bp低下の3.913%。
30年債利回りは4.2bp低下の4.094%。
2年債と10年債の利回り格差は一時マイナス9.9bpまで縮小した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 急反発して終了した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の次回会合で利下げが決定される可能性が高いと強く示唆したことを受け、買いが広がった。
パウエルFRB議長は年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で行った講演で、インフレはFRBの目標である2%に向かいつつあるため、政策を調整する「時期が来た」と言及。FRBの「仕事はまだ完了していない」としつつも、物価安定回復に向け「かなりの進展を遂げた」とし、「インフレが2%回帰に向け持続可能な軌道に乗っているという確信が強まった」と述べた。
カーソン・グループ(ネブラスカ州オマハ)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「株式市場は長らく待たされていたが、市場が待ち望んでいたハト派的な転換がようやく示された」とし、「FRBは明らかにハト派に転じている。パウエル議長は9月に利下げに着手すると明確に示した」と述べた。
パウエル議長の講演を受け、主要3指数はそろって急伸。半導体大手エヌビディアのほか、アップルやテスラなどの大型株が上げたことが大きな押し上げ要因となった。
金融株も上昇したほか、小型株や地方銀行株もアウトパフォーム。S&P500の全11セクターがプラス圏で終了した。
個別銘柄では、クラウドベースの人事(HR)・会計ソフトを手掛ける米ワークデイが12.5%高。四半期業績が予想を上回ったほか、10億ドルの自社株買い計画を発表したことが好感された。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米利下げ期待を強めるパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を好感 し、3営業日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比29.60ドル(1.18%)高の1オンス=2546.30ドル。週間では0.33%上昇し た。
パウエルFRB議長はこの日午前、西部ワイオミング州で開催中の年次経済シンポジウ ム「ジャクソンホール会議」で講演。足元で進行するインフレ鈍化と労働市場の減速を踏 まえ、政策を緩和方向へ転換する「時機が到来した」と明言した。
パウエル氏の発言を受け、市場では大方の予想通り、9月の連邦公開市場委員会(FO MC)で利下げが決定されるとの観測が拡大。米金利とドル指数の低下を眺めて、利回り を生まず、ドル建てで取引される金が買われ、相場は一時2555ドル付近に上昇した。労働市場がさらに悪化すれば、FRBは9月に大幅利下げを行う可能性があるとの見方が出ている。一方、金相場は今月に入って最高値の更新が続いており、利益確定の売りが出やすい地合い。このため、市場関係者からは、目先はボラティリティーが高まりそうだとの指摘も聞かれた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 9月の米利下げがほぼ確実視される中、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は前日比1.82ドル(2.49%)高の1バレル=74.83ドル。11月物は1.65ドル高の73.93ドル。
このところの軟調な値動きの反動で買い戻しが入り、相場は早朝からプラス圏を堅調に推移。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、西部ワイオミング州で開かれている年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、インフレ鈍化と労働市場の減速を踏まえ、金融緩和へ政策転換する「時機が到来した」と強調。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ開始を示唆する格好となった。
これを受け、対ユーロでドルが急落。ドル建てで取引される商品の割安感を意識した買いが入った。政策金利が引き下げられれば経済活動が活発化し、石油需要が高まるとの思惑も広がった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 144.37/144.41
始値 146
高値 146.48
安値 144.06
ユーロ/ドル NY終値 1.1190/1.1193
始値 1.1119
高値 1.12
安値 1.1106
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*26.00 4.0863%
前営業日終値 101*31.00 4.1350%
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*21.00 3.7952%
前営業日終値 100*03.50 3.8620%
5年債(指標銘柄) 17時05分 101*19.25 3.6416%
前営業日終値 101*07.00 3.7270%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*27.38 3.9089%
前営業日終値 100*21.50 4.0100%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 41175.08 +462.30 +1.14
前営業日終値 40712.78
ナスダック総合 17877.79 +258.44 +1.47
前営業日終値 17619.35
S&P総合500種 5634.61 +63.97 +1.15
前営業日終値 5570.64
COMEX金 12月限 2546.3 +29.6
前営業日終値 2516.7
COMEX銀 9月限 2982.0 +77.3
前営業日終値 2904.7
北海ブレント 10月限 79.02 +1.80
前営業日終値 77.22
米WTI先物 10月限 74.83 +1.82
前営業日終値 73.01
CRB商品指数 278.7233 +4.0466
前営業日終値 274.6767
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