- 2024/08/24 掲載
ECB、9月利下げ支持の流れ=情報筋
[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の政策立案者の間で9月の追加利下げを支持する声が高まっており、大きなサプライズがなければ利下げが遅れる可能性はないことが、7人の情報筋の話から分かった。
金融市場はすでに来月の利下げを予想する声が圧倒的だ。ただ、ECBが6月の利下げ決定前に、あまりにも利下げ方針を強く示しすぎたと一部から批判を受けたことから、政策立案者は次の姿勢に慎重になっている。
ここ数週間に発表された成長率や賃金、物価に関する多くの指標を受けて、利下げに向けた条件が整いつつあるとの主張が広く聞かれるようになっている。情報筋は、ECBは9月の追加利下げに前向きだと述べた。その理由として、物価上昇の鈍化や、予想を下回る経済成長、賃金の伸びの鈍化、米連邦準備理事会(FRB)の緩和姿勢の示唆などを挙げた。
ECB理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は、9月の利下げについて質問された際に「6月の見通しでは年内にあと2回の利下げを想定しており、現時点でそれを実行しない理由は見当たらない」との見解を示した。
他の情報筋によると、多数が最終決定の前に一段のデータを待っているとしても、9月の利下げに対する幅広い支持が非公式な話から示されているとしている。
ECBの政策立案者らは多くの場合に正式な投票には至らず、幅広い合意形成で決定することが多い。利下げ慎重派がすでに9月利下げに傾きつつあれば、利下げの決定が議論となる可能性は低いとみられる。
ECBのラガルド総裁はここ数週間、ECBの政策に関する公式コメントを発表していない。ECBの報道官はコメントを控えた。
情報筋は、正式な協議は始まっておらず、次回理事会が開かれる9月12日までに重要な指標が発表されると言及した。市場は現在、9月の利下げの可能性を90%以上と見ており、今年中に少なくとももう1回の利下げと、2025年にも着実に利下げが行われると予想している。
別の情報筋は「経済の軟着陸(ソフトランディング)が確定しているわけではないため、必要以上に成長を抑制しないようにする必要がある」と指摘。他の情報筋は、「9月の利下げで10月への期待が高まりすぎないようにする必要がある」と述べた。
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