- 2024/08/24 掲載
米FRB議長、9月利下げ開始示唆 政策調整の「時期到来」
[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演した。雇用市場が減速しインフレがFRBの目標である2%に向かいつつある中、政策を調整する「時期が来た」とし、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆した。
パウエル議長は「インフレ上振れリスクは後退し、雇用への下振れリスクが高まった」と指摘。「政策調整の時期が到来した。進むべき方向は明確だ。利下げの時期とペースは今後発表されるデータや変化する見通し、リスクのバランスによって決まる」と述べた。
さらにFRBの「仕事はまだ完了していない」としつつも、物価安定回復に向け「かなりの進展を遂げた」とし、「インフレが2%回帰に向け持続可能な軌道に乗っているという確信が強まった」という見解も示した。
失業率が過去1年間に1%ポイント近く上昇したことについては、主に労働供給の増加と雇用の減速によるもので、解雇の増加によるものではないと指摘した上で、FRBは「労働市場のさらなる減速を目指しておらず、歓迎もしない」と強調。「物価安定に向けてさらなる進展を遂げる中で、われわれは力強い労働市場を支えるためにあらゆる措置を講じる。政策の制約を適切に緩和すれば、力強い労働市場を維持しつつインフレが2%に回帰すると考える十分な理由がある」と言明した。
市場は引き続き、FRBが9月17─18日のFOMCで0.25%ポイントの利下げを実施するという予想を織り込んでいるものの、パウエル議長の発言を受け、0.5%ポイント利下げの確率が高まった。
しかし、CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「パウエル議長は最初の利下げについて明言したが、その後の動きについてはさほど明確にしていない。そのため、いきなり0.50%ポイントの利下げに踏み切るとは思えない」とし、「緩和の初期段階は緩やかに着実に進めたいというのがFRBの考えだろう」と述べた。
市場では、政策金利が2025年末までに3.00─3.25%と、現在の5.25─5.50%のレンジから低下することが見込まれている。
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