- 2024/08/19 掲載
ボーイングとロッキード、宇宙合弁売却でシエラ・スペースと交渉=関係者
[ワシントン 16日 ロイター] - 米ボーイングと米ロッキード・マーチン両社は、合弁宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)を宇宙開発企業シエラ・スペースに売却する交渉を進めている。ULAの評価額は20億-30億ドル前後に上る可能性がある。事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。
ULAは米政府のロケット打ち上げの主要な発注先で、実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXの最大の競争相手。ボーイング、ロッキード・マーチンという防衛大手の傘下を離れ、より規模の小さなシエラ・スペースに取得されれば、米国のロケット打ち上げ産業の構図も大きく変わることになる。
ボーイングとロッキード・マーチンは2019年、ULAの売却を検討したと伝えられたが、結局買い手候補と条件面で折り合いがつかなかったとされる。
昨年には富豪のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業ブルー・オリジンと、投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントもULA買収を申し入れたものの、合意には達しなかったもようだ。
シエラ・スペースは21年にシエラ・ネバダ・コープから独立し、宇宙船「ドリームチェイサー」の開発や、ブルー・オリジンなどと共同で商業宇宙ステーションの建設を手がけている。
アナリストによると、シエラ・スペースがULAを傘下に置けば、打ち上げの外注に多額の費用を投じることなく、自前で宇宙船や宇宙ステーション部品を低軌道に運ぶことができる。
一方、今月ケリー・オルトバーグ氏が新たな最高経営責任者(CEO)に就任したボーイングは、ULAを手放して中核事業に資源を集中させるとともに、売却資金を手に入れることになる。
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