- 2024/07/11 掲載
英富裕層減少へ、対ロ制裁や税制が影響 日本は増加見込み=調査
Dave Graham
[チューリヒ 10日 ロイター] - スイスの世界的銀行大手UBSは10日、ドル建て換算で100万ドル以上の資産を持つ富裕層の世界動向をまとめた2024年版「グローバル・ウェルス・レポート」を発表し、英国の富裕層は2028年までに6人に1人程度の割合で減少するとの見通しを明らかにした。
同調査によると、英国の富裕層は昨年、計306万1553人いたが、28年に17%減の254万2464人に落ち込む見通しだ。
記者会見したUBSグローバル・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏は、英国は富裕層が世界で3番目に多いが「不釣り合いだ」と指摘。過去数年間の対ロシア制裁の影響で今後は離英するケースが増えるとの見通しを示した。また、英国に居住する外国人富裕層に対する優遇税制「ノン・ドム・ステータス」の廃止決定も一因という。
さらに「世界の億万長者は絶えず税率の低い国を探して移動している」と指摘し、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイやシンガポールを移動先の例に挙げた。
同調査によると、オランダも減少見込みで、昨年は123万1625人いたが、4%減の117万9328人となりそうだ。
富裕層の減少見込みの英国とは逆に増加しそうな国としてUBSが挙げたのが米国で、28年までに16%増加するという。ドイツは14%増、フランスも16%増、日本では28%増、スペインで12%増、イタリアで9%増がそれぞれ見込まれる。
調査は56市場を対象とした。増加率が最大だったのは台湾で、半導体産業の拡大を背景に47%増の見通しという。
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