- 2023/12/27 掲載
築いた信頼「一瞬で崩れた」=ダイハツ不正、書き入れ時直撃―販売店
ダイハツ工業が26日、認証不正により国内で完成車を生産する全4工場を停止したことを受け、販売店から悲鳴が上がっている。国内生産の全車種で不正が判明した異例の事態に「築いた信頼が一瞬で崩れた」と途方に暮れる店舗も。年末年始の書き入れ時を直撃した上、生産再開や減収補償の見通しも立っておらず、不安な年越しを余儀なくされそうだ。
「少子化で車を持たない人が増え、新たに電気自動車(EV)が出始めた転換期にこんなことになった」。年末年始に攻勢を狙っていた大阪府内の販売店店長はため息をついた。納入待ちの車両のキャンセルや顧客への謝罪などの対応は1日数百件に及ぶ。心ない中傷の電話もあり、「例年なら初売りのCMを打って気合を入れている時期だが、先行きが全く見通せない」と肩を落とす。
4工場は少なくとも2024年1月末まで停止する見通しだ。23年1月のダイハツの国内新車販売実績は約5万4000台で、24年1月に同じ規模の台数が失われれば影響は販売店をはじめ部品メーカーなど広範囲に及ぶ。関西地方のダイハツディーラーは「最大で売り上げの3割程度が失われるかもしれない。わずかにある在庫分の販売で減収を少しでもカバーできれば」と話した。
国土交通省は、安全性や環境性能の保安基準に適合するとの確認が済むまで出荷を停止するようダイハツに指示した。作業に必要な期間ははっきりしておらず、生産停止が2月以降も続く可能性が指摘されている。
ダイハツは25日の記者説明で、販売店への支援について「1社1社に丁寧に対応する」との考えを示した。しかし、京都府内の販売店は「まだ説明は来ていない」と語るなど、店舗側の要望に応え切れていない。こうしたダイハツの姿勢に「お客さまに目を向けていないのではないか」(大阪府内の別の店長)と不満の声も出ている。
【時事通信社】 〔写真説明〕ダイハツ工業の軽自動車などを取り扱う販売店=25日、大阪府内
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