- 2023/12/25 掲載
「サンタクロース・ラリー」で最高値更新か=今週の米株式市場
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米株式市場では、「サンタクロース・ラリー」によって株価が過去最高値を更新して今年を終えられるとの期待が広がっている。
S&P500種総合指数は12月だけでも4%余り上昇し、年初来の上昇率は24%に達した。過去最高値の更新まであと1%未満だ。週間ベースでは、8週連続の上昇となった。
過去の例を踏まえるなら、目先はこの勢いが続きそうだ。年末は株価が上昇する傾向にあり、サンタクロース・ラリーと呼ばれている。
1969年から発行されているストック・トレーダー年鑑によると、S&P500はこれまで、12月最後の5日間と1月最初の2日間で平均1.3%上昇している。税金絡みで株を売った後、新年に備えて買い直す動きや、休暇シーズン特有の期待感まで、その原因はさまざまだ。
今年は期待が高い。インフレ率が低下し続けているのを背景に、米連邦準備理事会(FRB)は今月、利上げは既に終了しており、来年には利下げに転じることを示唆。22日に発表された11月の個人消費支出(PCE)価格指数の伸び率が一段と低下したことで、インフレ鎮静化の傾向がさらに鮮明になった。
エドワード・ジョーンズのシニア投資ストラテジスト、アンジェロ・クルカファス氏は「FRBのハト派転換が引き続きテーマになるだろう。市場と市場心理を支えており、来週(25日からの週)これが変化する可能性は小さい」と語った。
BofAグローバル・リサーチが19日公表したデータによると、機関投資家は足元で株式投資の意欲を強めている。一方、バンダ・リサーチは20日のノートで、個人投資家による株式購入が過去4―6週間に「急増」したことを紹介した。
バンダは「過去数カ月間、高い利回りを積極的に追求してきた個人投資家は、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策転換と、ソフトランディング説の強まりを背景に、リスク性資産へと買いの矛先を転換している」と説明。「利回りが圧迫され続けるのに伴い、この傾向は新年に向けても続くだろう」との見方を示した。
ネッド・デービス・リサーチはこのほど投資家に対し、投資配分をキャッシュから株式にさらに5%シフトするよう推奨した。
もちろん、年末は薄商いが続くとみられるため、予想外のニュースや大口取引に相場が敏感に反応しやすいことには注意が必要だ。実際、20日午後には相場が突然下落する出来事があった。出来高の減少や短期オプション取引、機関投資家の取引といった要因が相まった結果だとみられている。
一方で、豊富なキャッシュを抱えた投資家は25日の週に、株価上昇に乗り遅れまいと買いを入れる可能性がある。「機会を逃す恐れ(fear of missing out=FOMO)」取引と呼ばれる現象だ。
ヘニオン・アンド・ウェルシュ・アセット・マネジメントのケビン・マーン社長は「これまでの上昇ぶりを見る限り、市場は少し行き過ぎだと思う。だがFOMO取引の力だけで、もう少し上昇する可能性がある」と話した。
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