- 2023/12/19 掲載
日銀の現状維持、債券高・円安・株高で反応 過度な警戒感の巻き戻し
Noriyuki Hirata
[東京 19日 ロイター] - 19日の東京市場では、日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたことを受け、円金利は低下(債券価格は上昇)し、ドル/円は上昇、日経平均先物は上げ幅拡大で反応した。イベント前に浮上していた過度な警戒感が巻き戻される動きとなった。
日銀は18―19日に開いた金融政策決定会合で、マイナス金利を含む大規模な金融緩和政策の現状維持を全員一致で決めた。市場では早期のマイナス金利解除観測が浮上していたが、金融政策のフォワードガイダンス(先行き指針)も変更せず、先行きの政策修正は示唆されなかった。
市場では「一部で波乱も見込まれていたが、大方の予想通り現状維持となり、巻き戻すような動きになった」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれる。
正午前に日銀会合の結果が伝わると、為替市場では直後から円が急速に売られた。ドルは142円半ばから一時143.75円まで1円超上昇。豪ドルも95円半ばから96円半ばへ、ポンドも180円前半から181円後半へ買われ、円は全面安の様相となった。
円高を警戒していた日本株は、ドル/円が円安に振れたことで買いが強まった。昼休み時間中の日経平均先物は先立って買いで反応し、後場寄りの日経平均は心理的節目の3万3000円を回復。一時435円高の3万3194円に上値を伸ばした
国債先物は後場に入って大幅プラス圏に浮上。中心限月3月限は一時、前営業日比39銭高の146円35銭まで上昇した。大阪取引所は先物相場の急変動を受けて一時的に売買を停止するダイナミック・サーキット・ブレーカーを発動した。
新発10年国債利回り(長期金利)は、午後の取引で一時0.645%へと前日比で2.0ベーシスポイント(bp)低下した。
午後3時半からは植田和男日銀総裁の記者会見が予定されており、引き続き警戒感はくすぶるが、「無難に通過すれば一段の円安、年末の株高の可能性も出てくる」(北沢氏)との見方もある。
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