- 2023/12/19 掲載
NY外為市場=ドル、対ユーロで下落 日銀にらみ対円で上昇
[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、先週に続きドルが対ユーロで下落した。米連邦準備理事会(FRB)が先週、来年の利下げの可能性を示唆したことを受け、ドルは引き続き圧力にさらされている。
一方、日銀が18─19日の日程で金融政策決定会合を開く中、ドルは対円で上昇した。
FRBは先週の会合で金利据え置きを決定すると同時に、来年には金利が低下し始める可能性を示唆。パウエル議長は利下げの時期が次の問題だと述べた。これを受け、FRBが来年3月の会合で0.25%ポイントの利下げに踏み切るとの観測が高まっている。
トレーダーX(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ブラウン氏は「ここ6週間ほど積極的なハト派的リプライシングが見られていたが、FRBはこれをけん制せず、金融条件がさらに緩むことを容認した」と述べた。
一方、欧州中央銀行(ECB)の政策担当者らは、来年3月の理事会までに金利を高水準に維持する必要性に関するメッセージを変えることはなく、6月以前の利下げも難しいと認識していることが関係筋の話で分かった。
フォレックスドットコムとシティーインデックスのグローバル調査部門責任者、マシュー・ウェラー氏は「ECBが早期に一段と積極的な利下げを余儀なくされるかは時間が経たないと分からないが、ECBが示している『金利を長期にわたり高水準に維持する』というスタンスに対し、市場は明らかに賭けに出ている」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.07%安の102.55。ユーロは対ドルで0.22%上昇。ドルは対円で0.51%高の142.935円。
円は11月に152円近辺と、対ドルで数十年来の安値を付けた後、約6%上昇。市場では、日銀の低金利が通貨に与える影響は長くは続かないとの確信が強まっている。
CMCマーケッツのストラテジスト、マイケル・ヒューソン氏は「日銀はこのセンチメントの変化を間違いなく歓迎する」とし、「来年早々の何らかの政策転換をほのめかすかもしれないが、現在の政策設定を変えようと考える動機は少なくなっている」と述べた。
英ポンドは対ドルで0.31%安の1.2641ドル。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインがほぼ横ばいの4万1612ドル。
ドル/円 NY終値 142.74/142.78
始値 142.73
高値 143.15
安値 142.69
ユーロ/ドル NY終値 1.0922/1.0926
始値 1.0911
高値 1.0930
安値 1.0910
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