• 2023/12/19 掲載

市場のECB利下げ見通しに警告、スロベニア中銀総裁「制約低下」

ロイター

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Balazs Koranyi

[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバスレ・スロベニア中銀総裁は18日、政策見通しの見直しは少なくとも春が終わってからで、3月か4月の利下げという市場の予想は早過ぎると指摘した。

ECBは先週、政策金利を2会合連続で据え置いた。

バスレ氏はロイターに対し、債券利回りの大幅な低下、2024年の150ベーシスポイント(bp)利下げ観測から、資金調達環境がもはや十分制約的でない可能性があると指摘した。

「利下げの開始時期、全体的な動き、その両方に関して市場の観測は時期尚早だと考える。市場の織り込みは制約のレベルを下げてしまった。金利に織り込まれた最近の緩和は、インフレ率を目標に戻すのに適切なスタンスと矛盾する」と述べた。

複数の関係者は先週、ECB当局者が来年3月の理事会までに金利を高水準に維持する必要性に関するメッセージを変えることはなく、6月より前の利下げも難しいと認識しているとロイターに語っている。

市場では、3月利下げの可能性は五分五分だが4月までの利下げを完全に織り込んでいる。

しかしバスレ氏は、ECBのスタンス見直しの検討は第1・四半期が終わってからでなければならないと指摘。「1月の理事会までに得られる新たなデータは限られる。したがってインフレ率、成長率、財政政策、労働市場に関する詳細な情報が得られるのは3月か4月以降になるだろう」と述べた。

直近が2.4%だったインフレ率については「年明けに再び上昇し、前半は2.5─3%のレンジで推移する可能性がある。この間の物価上昇を観察し、見通しを見直すのが適切だ」と述べた。

積極的な利上げにもかかわらず、労働市場は堅調を維持している。

バスレ氏は「賃金形成の大半は第1・四半期に起こる見通しで、労働者が賃上げを要求するかや、企業がマージンを通じて賃金上昇の一部を吸収するかを見極める必要がある」と述べた。

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