• 2023/12/08 掲載

適時開示、英語義務化へ=数年内にプライム企業で―投資マネー呼び込み・東証社長

時事通信社

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東証は最上位のプライム市場に上場する企業に対し、適時開示を行う際に英語で併せて開示するよう義務付ける検討に入った。売買代金の7割を占める海外投資家に対し、国内投資家と対等に情報を提供し、投資マネーを呼び込みやすくする狙い。投資家が必要とする情報を精査し、数年以内のルール化を目指す。

東証の岩永守幸社長が7日までに時事通信とのインタビューで「グローバルな投資家と向き合うプライム企業に、できるだけリアルタイムで(英語開示を)お願いする」と述べた。

東証は、昨年4月に旧東証1部など四つの区分をプライムなど三つの区分に見直した。この市場再編を検証している有識者の「フォローアップ会議」で、適時開示を含め、どのような情報について英語開示を義務付けるかも議論して決める。

東証が今年7~8月にプライム企業を対象に行ったアンケートでは、決算短信を英語で出す企業の割合は9割超に上った。これに対し、業績予想や配当の修正、自己株取得といった適時開示を英語で行っている割合は約4割にとどまった。

岩永氏は「投資家が求めているのは(英語での)適時開示だ。不公正と感じられても仕方がない」と指摘し、改善の必要性を強調した。

東証は現在、企業統治指針に基づき、プライム企業に「必要とされる情報」の英語での開示を要請している。企業は従わない場合、理由の説明を求められるが、指針に法的拘束力はなく、開示すべき範囲も具体的には定められていない。

義務化された場合、翻訳などで企業側の実務負担が増すことは必至だ。有識者会議では、企業の負担や英訳での人工知能(AI)活用の利点や注意点なども考慮し議論。東証はその結果を踏まえて上場規則を改める方向だ。アンケートでは企業側から「日英両語の同時開示を求められた場合は対応が困難」との不安の声や東証のサポートを求める意見も上がっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える東京証券取引所の岩永守幸社長=5日、東京都中央区 〔写真説明〕インタビューに答える東京証券取引所の岩永守幸社長=5日、東京都中央区

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