- 2023/12/04 掲載
銀行の炭素会計、資本市場業務が促進する排出量を3分の1に設定
[ロンドン 1日 ロイター] - 事業活動に関連した温室効果ガス排出量を算出・集計する「炭素会計」で銀行向けの国際基準策定に取り組む「金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF)」は1日、銀行が債券・株式売却の引き受けなど資本市場業務を通じて促進する排出量について、関連する排出量の3分の1にとどめる基準を策定した。
銀行が資本市場業務によって支援する事業体の排出量のうち、どの程度の比率を炭素会計で報告するよう義務付けるかを巡っては、PCAFに加盟する銀行が昨年から協議してきたが、銀行の間で意見が分かれ、決定が遅れていた。
PCAFのエグゼクティブディレクター、アンジェリカ・アファナドール氏は基準の決定について「無論、容易でなかった。比率の決定は複雑だった。PCAFの最も重要な目的は、全ての銀行が使うことができる調和のとれた方式を見つけることだった」と述べた。
PCAFに加盟する銀行は既に、バランスシートに記載される金融業務を通じて促進した炭素排出量については全体の100%を報告することで合意している。
アファナドール氏は資本市場業務の場合の比率を3分の1とした理由について、バーゼル銀行監督委員会が以前、融資などバランスシートに反映される業務は引き受けよりも3倍ほど強い影響力があるとの見解を示していたためだと説明した。
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