- 2023/12/01 掲載
イタリア中銀新総裁、ECBの高金利による経済へのダメージ懸念
[ローマ 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中央銀行新総裁は30日、ECBは持続的な高金利によって経済と金融の安定に「不必要なダメージ」を与えてはならないと述べた。
イタリア中銀総裁就任後初の重要な講演で、9月まで10回連続で実施した利上げの効果はまだ十分に発揮されておらず、今後も需要を減退させ続けると指摘。ユーロ圏経済は今年の第4・四半期も引き続き軟調で、経済を巡るリスクは下向きに傾いていると警告した。
金利政策について「経済活動への不必要なダメージや金融安定へのリスク、ひいては物価の安定を危うくするようなリスクを避ける必要がある」と述べた。
また、現在の金利水準はインフレ率をECBの目標である2%まで低下させることと矛盾しないとした。
<インフレ低下>
欧州連合(EU)統計局が30日発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、10月の2.9%から低下した。
これについてパネッタ氏は「好ましい進展」と評価。インフレ率の急低下により、ECBが現在のような相対的に高い金利を抑制できる可能性を示唆した。
講演で「ディスインフレを定着させるために必要な限り長期にわたり、引き締まった金融情勢を維持する必要がある。経済活動の低迷が続き、インフレ率の低下が加速すれば、この期間は短くなる可能性がある」とした。
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