• 2023/11/30 掲載

OECD、英国の財政引き締めを勧告

ロイター

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Suban Abdulla

[ロンドン 29日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は29日公表した世界経済見通しで、英政府は新型コロナウイルスのパンデミックと昨年のエネルギー価格高騰への対応で緩んだ財政を引き締めるべきだとの見解を示した。来年の選挙に向け、再度減税を検討しているスナク政権にとって耳の痛い助言となった。

OECDは「多額の借り入れと負債を抱え、債務の利払いが増えて財政の余裕が狭まった厳しい環境下」、現在の財政再建努力を維持し、強化することが不可欠だと指摘した。

政府は最近、労働者と企業向けの減税や税制優遇措置を発表したばかり。与党保守党は野党労働党に支持率で大きく差を付けられており、来年2月か3月には追加的な減税措置などを発表して追い上げを図ると予想されている。

OECDは英国の公的年金制度について、(1)賃金上昇率、(2)インフレ率、(3)2.5%のうち最も高い数字に連動させる現在の方式を改め、財政負担を和らげるよう勧告。年金はインフレ率と賃金上昇率の平均値に連動させた上で、貧しい年金生活者には直接支給をする制度を提案した。

OECDは英国の国内総生産(GDP)成長率について、来年の見通しを0.7%と前回の0.8%からわずかに下方修正し、2025年は1.2%と予想した。今年の成長率は9月に予想した0.3%から0.5%に上方修正した。

また、イングランド銀行(中央銀行)は2025年まで政策金利を5.25%に据え置き、同年から利下げを開始し、年末に4%とするとの見通しを示した。

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