- 2023/11/30 掲載
来年の米国株「厳しい」環境、S&P目標4200=JPモルガン
[ニューヨーク 29日 ロイター] - JPモルガンの株式ストラテジストは29日、来年の米国株について厳しい見通しを示し、企業利益の弱い伸びが見込まれるほか、バリュエーションは割高で、地政学リスクも高いと指摘した。
2024年のS&P総合500種の目標は現在の水準を約8%下回る4200とした。
米連邦準備理事会(FRB)による急速な金融緩和がなければ「株式のマクロ環境は来年、より厳しくなる」と見通した。
S&P500構成企業の24年利益成長率は2─3%と予想し、LSEGがまとめたアナリストのコンセンサス予想(11.4%)を大きく下回った。
JPモルガンはコンセンサス予想について、需要や価格決定力に大きな打撃を与えることなくインフレが鈍化する「ゴルディロックス(適温)」環境の想定に沿っていると指摘。「この堅調な見通しとは対照的に、われわれは前期比の増収率が低下し、利益率は拡大せず、自社株買いも減少すると予想する」と述べた。
制約的な金融政策や地政学リスクなどを踏まえると、現在のバリュエーションは高いとした。具体的なリスクとしては二つの大規模な戦争、米国を含む40カ国が実施する国政選挙を挙げ、来年は株式のボラティリティーが今年より全般的に高くなると見込んだ。
リセッション(景気後退)は来年起こり得るリスクとも指摘した。
PR
PR
PR