- 2023/11/29 掲載
パナマ大統領がファースト・クォンタムに銅山閉鎖命令、契約違憲判決で
[パナマ市 28日 ロイター] - パナマのコルティソ大統領は28日、カナダ資源開発大手ファースト・クォンタム・ミネラルズ(FQM)が操業しているコブレ・パナマ銅山を閉鎖する命令を発出した。
パナマ最高裁判所がこの日、FQMの採掘契約は違憲だと判断したことを受けた措置。
コルティソ氏はテレビ演説で「最高裁判決が官報に掲載され次第、コブレ・パナマ銅山の秩序を伴った安全な閉鎖(手続きが)始まる」と語った。
コブレ・パナマ銅山を巡って、当初は環境面などの理由から反対運動が発生。その後FQMに寛大過ぎる条件で契約をした政府に対する大規模な抗議行動へと発展した。
FQMは28日、既に銅山の商業生産を停止し、養生と保守管理の態勢に入っていると説明した上で、パナマ国内の事業全般においては法令順守を徹底する方針を確認した。
問題となった契約は先月合意され、パナマ政府はFQMに20年の採掘権を認めるとともに、さらに20年の権利延長オプションを付与し、その代わりに年間で3億7500万ドルを納付してもらうという内容だった。
今後同社には国際仲裁を通じて解決する道があるが、時間がかかる上に最終的な結果がどうなるかは不透明。同社はパナマ政府との協議で事態が打開できるなら、国際仲裁手続きは回避したい考えを示唆している。
コブレ・パナマ銅山は世界の銅生産の約1%を占めており、パナマ最高裁の判決を受けてロンドン金属取引所(LME)の銅指標価格は0.9%上昇した。
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