- 2023/11/29 掲載
NY外為市場=ドル3カ月超ぶり安値、来年前半の利下げ視野
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが3カ月超ぶりの安値に沈んだ。米経済の成長が鈍化し始めているとの見方が広がり、市場は来年前半の利下げを織り込み始めた。
CMEのフェドウオッチによると、米金利先物市場では3月の利下げ確率を33%、5月は約65%と想定。27日時点ではそれぞれ21%、約50%だった。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は28日、インフレ率が低下し続ければ、数カ月先に政策金利を引き下げる可能性を示唆。これを受け、ドルは下げ幅を拡大した。
ウォラー氏は「標準的なテイラールールに基づけば、あと数カ月─3カ月か4カ月か5カ月か分からないが─ディスインフレが続き、インフレ率が本当に低下方向に向かっていると確信が持てれば、景気回復などとは無関係に、インフレ率が低下したという理由のみで政策金利を引き下げ始めることができる」と述べた。
ドル指数は一時102.60まで下落し、8月中旬以来の安値を付けた。終盤は0.3%安の102.82。月間では3.6%安と2022年11月以来の大幅な下げを記録する勢い。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「ドルは夏季の間、ダイバージェンス、つまり米経済のアウトパフォームの恩恵を受けて反発した。現在は新たなコンバージェンスでドルが下落している」と指摘。「欧州や中国が大幅に良くなっているわけではない。欧州や中国は減速しており、米国も減速しているように見える」と述べた。
28日に発表された米経済指標はまちまちとなった。
コンファレンス・ボード(CB)が28日発表した11月の米消費者信頼感指数は102.0と10月改定値の99.1から4カ月ぶりに上昇した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は101.0だった。
米連邦住宅金融庁(FHFA)が28日発表した9月の米住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で6.1%上昇と、8月の5.8%上昇(上方改定)から伸びが加速した。住宅市場の回復を浮き彫りにした。
一方、11月の米リッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス5とマイナス圏に落ち込んだ。
ユーロ/ドルは一時1.1009ドルと3カ月半ぶりの高値まで上昇。終盤は0.3%高の1.0981ドル。
ポンド/ドルも上昇し、9月1日以来の高値を付けた。終盤は0.4%高の1.2685ドル。
ドル/円は0.8%安の147.49円。
ドル/スイスフランは0.2%安の0.8762フラン。9月初旬以来の安値水準となった。豪ドル/米ドルは一時0.6665米ドルと約4カ月ぶりの高値を付けた。
ニュージーランドドル/米ドルは0.6147米ドルと8月以来の高値を付けた。終盤は0.5%高の0.6127米ドル。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は29日に金融政策決定会合を開き、4回連続で政策金利を5.50%に据え置くと予想されている。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.7%高の3万8228ドル。
ドル/円 NY終値 147.48/147.49
始値 148.58
高値 148.69
安値 147.33
ユーロ/ドル NY終値 1.0990/1.0994
始値 1.0948
高値 1.1008
安値 1.0946
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