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  • 2018/07/26 掲載

次世代AIを見据えた脳科学研究の現在地とは、国家的な組織や連携も

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NTTデータ経営研究所は5月、「脳科学応用の最新動向調査」を発表、目まぐるしく進化を続ける脳科学とその応用動向についてまとめた。調査は、2017年1月から2018年4月までに発表された学術論文、WEB上の公知情報等を主な対象としており、応用可能性のある基礎研究、企業の取り組み、スタートアップ・ベンチャー企業の情報を紹介している。
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AI開発は「脳の機能の実装」を目指す
(©monsitj - Fotolia)


次世代人工知能開発の争点は、「脳の機能の実装」

 近年急速な進歩が見られる分野であるAI(Artificial Intelligence:人工知能)と脳・神経科学は親和性が高く、世界中でAI 研究と神経科学研究を結びつける産学官連携巨大プロジェクトが推進されている。

 日本でも2017年に、生命科学と情報科学をつなぐ新学問分野”Neurointelligence”を標榜したニューロインテリジェンス国際研究機構が、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラムに新規採択されている。

 今後、さらに賢い人工知能の構築に向けて突破口となるのは、生物の脳の理解と活用であると考えられており、脳の「直感的理解」や「創造性」といった機能をどう機械に実装していくかが次世代人工知能開発の争点になると見ている(図1)。

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図1:脳科学とAIの共進化の展望
(出典:NTTデータ経営研究所 報道発表)


 実際に、脳のデータやモデルを利用したアルゴリズムの優位性に関する報告が続々と挙がっていることが分かった。

脳情報通信技術が発展、BMI分野に投資が集まる

 脳が処理する情報は、運動(に関する意図)情報、感覚情報に加え、健康状態や特定の記憶やスキル、価値観や好みなど、非常に多岐にわたる。

 そうした脳の情報を読み取ったり編集したりということを、機械やヒトとコミュニケーションしながら行う技術である「脳情報通信技術」の発展が著しいことが分かった(図2)。

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図2:脳情報通信技術の概要
(出典:NTTデータ経営研究所 報道発表)



 特にブレインマシンインタフェース(脳とコンピュータなどとのインタフェースをとる機器などの総称:BMI)には、大きな期待が寄せられており、米国の大手IT企業などが積極的にこの分野に投資している現状が明らかになった。

【次ページ】脳科学関連スタートアップ企業は欧米だけでなくイスラエルも存在感
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