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IDC Japanの調査によると、ユーザー企業におけるオープンソースソフトウェア(OSS)利用のメリットは「導入コストを削減することがきる」が53.2%と最も多く、「運用保守コストを削減することができる」が32.7%となり、コスト削減に対するメリットが評価された。また、ソリューションプロバイダの3割以上が、OSSプロジェクトは増えていると回答した。
IDC Japanは11日、オープンソースソフトウェア(OSS)に関する利用実態調査結果を発表した。本調査は、国内ユーザー企業312社を対象とした「OSSの利用実態調査」と、国内のシステムインテグレーターやサービスプロバイダーなどのソリューションプロバイダー204社を対象とした「OSSの採用動向調査」に基づいたもの。
国内ユーザー企業を対象としたOSSの利用実態調査では、自社の情報システムにおけるOSSの利用状況や課題、今後の意向などについて調査を行った。
その結果、使用しているOSSの種類では「オペレーティングシステム(OS)」が59%で最も多く、「Webサーバ/アプリケーションサーバ」、「メール/グループウェア/コラボレーションツール」、「データベース管理システム」が30%以上の回答率となった。
OSSを使用することによるメリットとしては、「導入コストを削減することがきる」が53.2%と最も多く、「運用保守コストを削減することができる」が32.7%となり、コスト削減に対するメリットが評価されたという。
一方、OSSを使用することによるデメリットとしては、「緊急時のサポートが迅速に受けられない」が34.0%で最も多い回答となった。また「ベンダーやSIerのサポートが継続して受けられるかどうか不安である」が25.6%と3番目に挙がっており、OSSのサポートに対する懸念が最も大きいデメリットとなった。2番目に多い回答として「OSSを管理できる社内のエンジニアが少ない」が27.6%となった。
システム構築やサポートなど自社のITビジネスにおけるOSSの採用状況や課題、今後の意向などについての調査では、過去3年間におけるOSSを使用したプロジェクト数の変化について、「非常に増えている」と「増えている」を合わせると37.3%に達した。反対に減っているという回答は非常に少なく、OSSプロジェクトが増加している傾向が示されたという。
さらに、OSSの使用実績と過去3年間のITビジネスの売上高の変化の関係を分析すると、OSSの使用実績が多いと回答したソリューションプロバイダーの37.2%は過去3年間の売上高が増加しており、反対にOSSの使用実績が少ないと回答したソリューションプロバイダーでは増加が15.2%にとどまり、減少が40.5%になった。IDC Japanでは、OSSの活用がITビジネスの成長に繋がっていると考えられるとしている。
「今回の調査結果によって、OSSの活用はユーザー企業のコスト削減効果のみならず、ソリューションプロバイダーのITビジネスの成長にも寄与していることが明らかになった。両者ともにOSSを積極的に活用することが、今後のビジネスを成長させていく重要な要素となる。その一方で、サポートに対する懸念やエンジニア不足など、解決していかなければならない課題も多い。これは国内のIT業界全体に突きつけられている課題であり、業界を挙げて取り組んでいくことが必要である」(IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの入谷 光浩氏)
今回の発表はIDCが発行したレポート「2011年 国内オープンソースソフトウェア市場 ユーザー利用実態調査とソリューションプロバイダーの採用動向」(J11370103)にその詳細が報告されている。
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