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  • 2016/11/29 掲載
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これからの企業の競争力の源泉がさまざまな「データ」にあることは論を待たない。しかし、このデータをどう具体的に活かしていくのか決めあぐねている企業も多いのではないだろうか。そこで言われる決まり文句が、「使わないかもしれないけどとりあえずとっておいて」という言葉。データの質が多様化し、データ量も爆発的に増えている中で、これは言わば無理難題をふっかけられているに等しい。企業の担当者はこうしたデータの課題にどう立ち向かっていけばよいのだろうか。

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データは企業の源泉力とはいうものの課題も多い


データ活用が進展するほど問題になる3つの視点

 あらゆるビジネスがデジタル化する時代が到来するのに伴って、企業のデータ活用が本格化している。一方で、企業の情報システム部門はそのデータにまつわる3つの課題を抱えている。

 1つ目は「データ活用」だ。IoTによるセンサーデータや基幹系システムのデータが爆発的に増加しているのはもちろんだが、法定保存年数が定められたさまざまなドキュメント類も量、種類ともに増加している。こうしたデータでやっかいなのは、例えば法定文書であっても、何かの訴訟が起きた場合はすぐに取り出せるようにしておく必要がある。「もしかしたら使うかもしれないがすぐには使わないデータ」が増大していることにある。

 2つ目は「災害対策」の観点である。例えば今年4月に発生した熊本地震では、揺れが長期間続いたため、ディスクが少しずつダメージを受け、最終的にシステムが壊れたという事案があったとされる。日本は地震、津波などの天災が頻発しており、「何も起きないかもしれないが、何か起きたときに備えてきちんとデータが保護できている」ことが求められる。

 3つ目は「セキュリティ」の観点である。昨今、社内のデータを勝手に暗号化し、そのデータを人質にとって“身代金”を要求する「ランサムウェア」が流行している。もちろん、こうした外部的な攻撃に限らず、何らかの理由でデータの欠損が起きてしまえば、復元には手間もコストもかかってしまう。「攻撃されないかもしれないが、攻撃されたときの備えが必要」なのである。

 これらはいずれも必ず発生するものではないため、予算化が難しいとされる。結果として何かおきたときに初めて取り組まれるケースも多いが、一度失われたデータは決して戻ってはこない。このジレンマが、情報システム部門を「板挟み」に陥らせ、悩ませているのである。

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