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  • 2016/10/05 掲載
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欧米企業と比較すると、日本企業のIT部門に与えられたリソースは圧倒的に小さい。その中で、IT部門はシステムの運用・保守を行い、IoTやビッグデータなどの攻めのITも求められる。もちろん、SIerをはじめとするパートナーの協力はあるにせよ、リソースが絶対的に足りないのは否定できない現実だ。では、その厳しい条件下でベンダーとの関係はどう構築すればいいのか。さらに攻めのITに投資を行うために、守りのITの負荷やコストをどう削減すればよいのか。アイ・ティ・アール(以下、ITR) 取締役/プリンシパル・アナリスト 金谷敏尊氏とシーエーシー(以下、CAC) 業務担当執行役員 ソリューションカンパニー長 佐別當宏友氏に話し合ってもらった。

日本企業のベンダーマネジメントがうまくいかない理由は?

──企業のベンダーマネジメントについて、日本企業が直面している課題をお聞かせください。

金谷氏:日本企業と海外企業を比較すると、日本企業のIT部門は非常にスリムです。たとえば、北米の場合、IT部員が数千人規模の企業も珍しくありません。そして、彼らはオラクルやマイクロソフトといったベンダーと直接会話をします。一方、日本はそこまでではなく、ベンダーと会話をする場合も、SIerをはじめとするさまざまな企業が間に入らざるをえません。

佐別當氏:予算という観点でも、日本企業のIT部門は厳しい状況に置かれています。経営層にアンケートをとると、ITにもっと経営に貢献してほしいという結果が必ず上位に入ります。ところが、IT予算の約8割は現在のシステムの保守に割かれているため、限界があるのが現実です。このため、IT部門はどうしても保守的になりがちで、競争力を強化するITに力を割くことができないのが大きな課題ではないでしょうか。

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