日産やリクルートテクノロジーズなどの事例から読み解く、コミュニケーションロボットPepperの多彩なビジネス活用法
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独自の会話エンジンを搭載! スーモカウンターだけでなく他サービスにも展開を
リクルートテクノロジーズの塩澤氏は、導入の経緯について次のように語る。
「数年かけて独自の会話生成エンジンを開発して、リクルート内の各サービスで適用してきました。ただし従来までは、PCやスマートフォンでテキストベースの会話を主体に使っており、リアルな世界で人間と音声で会話を成立させたいと考えていた矢先、Pepperが発売されたのです」(塩澤氏)
昨年、初めて同社が導入したのは一般販売モデルのPepperだった。これに同社の会話生成エンジンを搭載し、フィージビリティテスト(実現可能性調査)をしたところ、数倍の顧客を呼び込めるという非常に良い結果が得られたという。
「さらに15店舗に本格展開しようと計画していたところ、ソフトバンクから法人向けのPepper for Bizが発売されるという話を聞きました。全国の店舗に置くことを考えると、ソフトウェアを一括配信してリモートで更新できる機能が魅力的でした。そこで法人モデルに切り替え、この1月から導入を始めました」(塩澤氏)
「お子様向けにシャッフルゲームや動物当てゲームといった楽しいコンテンツも用意しました。これにより店頭に足を止めてくれる機会が大変多くなりました」(塩澤氏)
そして、もう1つのポイントが前出の同社独自の会話生成エンジンだ。一般販売モデルのPepperには感情エンジンやクラウドAIが搭載されているが、Pepper for Bizには両機能が搭載されていない。そこで自由な会話を実現できる会話生成エンジンが大きな意味を持つのだ。その基本的な原理は、クラウド上の会話生成エンジンをAPI経由で利用し、日本語を解析したのちにPepper for Bizに返答するという流れだ。
「たとえば『ラーメンを食べたい』と聞かれた場合はラーメン店を紹介し、『ラーメンを買いたい』と言われたときはスーパーを紹介するというように、質問の微妙なニュアンスによって返答を変えます。日本語を解釈しどんな意図があるか自然言語解析を行い、データベースに問い合わせて、返答すべき最適な言葉をマッチングしているのです」(塩澤氏)
長文になると会話の精度は少し落ちてくるものの、短文であればかなり正確な精度で答えを返せるという。同社では、この会話生成エンジンが今後の技術開発の中核になると考えており、あくまで自社開発にこだわっているのだ。
「この技術を使えば、Pepperだけでなく家電や自動車など、さまざまな分野にも応用が利くため、差別化を図ることができます。さらに性別・年代層など顧客属性を分析し、お客様との会話のログデータと関連付けることによって、顧客属性別にどのような対応をすべきかそのアプローチも見えてくるのです」(塩澤氏)
同社では、今後はスーモカウンターのみならず、リクルートグループ内の他のサービスにもPepperを展開していく構えだ。また会話生成エンジンについても、金融など業界別に会話辞書をアドオンしてビジネスに結び付けることも考えている。そして人とロボットの分業の研究も進め、より高度な仕事を人にシフトさせることを視野に入れているという。
ITに強い地方銀行がPepperのアプリケーションを独自開発する狙い
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