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  • 2016/01/01 掲載

今、ビジネスで選ぶべき薄型軽量スタンダードノートPCはどれ?

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6.放熱性能と静音性比較 ~不快な熱や音はないか?~

 性能が優れていても放熱性能が十分なければ、長時間の使用では不快である。チェックしておきたいのがボディの放熱性能だ。使っているうちにボディが熱を帯びてくるようだと、業務に悪影響だ。特に手がよく触れるパームレストに不快な熱を帯びるようでは使い勝手が悪い。

 同時に静音性も調査した。複数人が作業するオフィスはそれなりに騒音はあるものだが、会議室、外出先はそうとはかぎらない。特にプレゼンテーションの最中にファンが大きな音を立ててしまうなどすれば、先方の注意力が削がれてしまうことになる。静かなことに越したことはないだろう。

比較6■放熱性能と静音性
放熱性能NEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
PCMark 8(1回終了後2回目実行中)
キーボード左272325.529.5
キーボード右25.5273127
パームレスト左2523.522.525
パームレスト右23.5262723.5
底部左3125.524.533
底部右26.5303228.5
ファンの騒音
ファンの騒音(アイドル時)30303030
ファンの騒音(中負荷時:PCMark 8)34.73041.535.8
ファンの騒音(高負荷時:CINEBENCH)41.336.945.647.5
排気口の位置左側面奥右側面奥背面右左側面中程
短評負荷に応じて段階的に上がる。マイルドな音で、中負荷までであれば静かな部屋なら分かる程度。特にCPUの不利は感じない。放熱性能、静音性ともきわめて優秀。中負荷時はほぼ無音。高負荷時でも一時的に少しファンが回る程度。第6世代Coreプロセッサーの電力効率の高さを優れたボディの放熱設計により、快適な使用感へ直結させている。ファンの反応が敏感で、ちょっとした負荷でも回転が上がり、利用時は常時ノイジーな印象だ。高負荷時の動作音も大きく。負荷に応じて段階的に上がる。全体にVersa Pro タイプVCより若干大きめだが中負荷までなら静かな部屋なら分かる程度だ。ただし、ピークの動作音は一番大きかった。
点数81067
※室温21℃、暗騒音30℃、キーボードはホームポジション列、ファンの音は前面端から5cmの距離から測定

 PCMark 8を2回連続で実行し、2回目に入った後に放射温度計でボディ各部を測定し、一番高い部分の温度を記録した。計測結果は表にまとめたとおりで、4製品とも問題はなく、特によく触れるパームレストはどれも低く保たれていた。

 一方、静音性はかなり差がついた。第6世代Coreプロセッサーを採用するdynabook R73が断然優秀で、PCMark8実行中もほとんど無音に近い感覚だった。CINEBENCHで高負荷をかけた時の音も一番小さかった。第6世代Coreプロセッサーの電力効率、ボディの放熱設計、いずれも優秀なのだろう。

 LIFEBOOK S935/KとVersa Pro タイプVCは似たような傾向だが、全体に前者のほうが大きく、ピークの音も大きい。Versa Pro タイプVCはTDP37Wのプロセッサーを搭載するため放熱は不利だが、ボディに厚みがあることもあって、TDP15Wの第5世代Coreプロセッサーを搭載する2台より静音性は優れている。Let'snote CF-MX4はファンの反応が敏感で、動作音が大きくなったり小さくなったり頻繁に変化するため、静かな部屋だとかなり煩わしい。

 採点は、温度、静音性ともに優秀なdynabook R73は満点評価で良いだろう。時点がVersa Pro タイプVCだ。中負荷時、高負荷時それぞれマイナス1ポイントで8ポイントとした。LIFEBOOK S935/Kがそれから1ポイント減、利用時はノイジーな印象のLet'snote CF-MX4はさらに割り引いて6ポイントとした。

7.堅牢性比較 ~ビジネスでタフに使えるか?~

 堅牢性は、ビジネス向けPCには非常に重要な要素だ。ビジネスにおいてPCはあくまでも道具であり、一刻を争う場面、人間関係を最優先しなければならない場面など、大事に扱っている余裕がないことは珍しくない。持ち運ぶことを想定したPCであれば、衝撃や振動がかかる機会も多い。少々のことで破損してしまっては、仕事にならない。

 表には、それぞれのメーカーの堅牢性に関して言及されている主張をまとめた。堅牢性に関しては、実際に壊れるか壊れないかだけでなく心理的に安心できる裏付けというのも重要であり、裏付けのある情報を十分公開しているかどうかも評価に加味している。

比較7■堅牢性
堅牢性NEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
情報防滴構造、150kgfの面加圧、25kgfの点加圧試験、76cm落下試験クリアマグネシウム合金を採用。液晶パネル部のたわみ強度を従来比1.6倍アアップ。ドイツの認証機関TUVにより100kgf面加圧、76cm落下テスト、30cc防滴テストをクリア。高加速寿命試験(HALT)で経年劣化を検証ボンネット構造、ボディケースはカーボン強化マグネシウムダイカスト採用。76cm落下、天面底面100kgf面加圧振動試験クリア。ヒンジ耐久テスト動画公開、強化ガラス、高耐久USBポート、レーザー印刷キーボード採用デュアルグリッド構造、金属筐体採用。天面面加圧200kgfクリア
短評空洞感はあるが全体的に剛性は高い。光学ドライブがあるあたりなど、一部不安を残す部分がある。情報量は多いとはいえないが、必要十分な内容は満たしているといえる光学ドライブがあるあたりをあえて押すとわずかにたわみを感じるが、全体的に剛性は高い。防滴含め、さまざまなテストをクリアしていることが公開されており、安心感は高い全体に剛性感が非常に高く、光学ドライブの下含めてどこを持っても不安を感じない。防滴への言及はないものの、耐久性含めて情報量豊富で安心感高い全体に及第点以上の剛性はあるが、光学ドライブあたりの樹脂部品に微妙に不安を残す。防滴や落下に関する言及がないなど情報量も十分と言い難い
点数8.5998

 実際に持ってみた印象だけからいえば、どの製品も甲乙付けがたいものがある。ただ、光学ドライブのある部分などをあえて強く押すようなことをしてみると、Let'snote CF-MX4以外は若干たわみや歪みなどが感じられる。

 情報面では、LIFEBOOK S935/KとLet'snote CF-MX4は防滴に関する言及がない。特にLIFEBOOK S935/Kは落下テストなどの言及もなく、情報量が十分とは言い難い。

 採点は、防滴構造ではないものの剛性感で一歩リードし、情報量も豊富なLet'snote CF-MX4が9ポイント。剛性感でわずかに気になる点があるものの防滴テスト含めてさまざまなテストをクリアしているdynabook R73も9ポイントとした。Versa Pro タイプVCはdynabook R73よりわずかにたわみの度合いが大きいことと情報量の差で0.5ポイントをマイナス。LIFEBOOK S935/Kはさらに情報が不足しているため、さらに0.5ポイントマイナスした。

8.通信機能とインターフェイス比較 ~周辺機器との接続性や使い勝手は?~

 続いて通信機能とインターフェイスを調査した。ビジネスではセキュリティの観点から有線LANが必須とされることが多い。また、プロジェクター接続の事実上標準端子であるD-Sub15ピンも需要が高い。自社内では必要ないという場合も、外に持ち出して、貸会議室や取引先で使うといったことを想定するとこれらは外せない装備だろう。

 こうした機能は外付けでも対応できるが、本体に装備していれば、外付けの細々とした備品の導入/管理にともなうコストを削減でき、紛失などのリスクも回避できる。そのほか、データのやり取りに使うUSBポートやメモリーカードスロット、ビデオ会議用Webカメラなどが挙げられるが、このジャンルの製品はバランス、万能性が1つのメリットだけに、できるだけ網羅していることが求められる。

 結果は表にまとめているが、評価機に実際に搭載されていない機能もBTOで追加可能であれば「搭載可能」と記載している。また、有線LANやディスプレイ出力など利用時にケーブルを差したままになるような端子が手前側にあると煩わしい。そのあたりも調査した。

比較8■通信機能とインターフェイス
通信機能、インターフェイスNEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
通信機能
有線LAN有線LAN(1000BASE-T)有線LAN(1000BASE-T)有線LAN(1000BASE-T)有線LAN(1000BASE-T)
無線LANIEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/ac
BluetoothBluetooth 4.0Bluetooth 4.1Bluetooth 4.0Bluetooth 4.0
インターフェイス
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブDVDスーパーマルチドライブDVDスーパーマルチドライブDVDスーパーマルチドライブ(着脱式) またはDVD-ROMドライブ(着脱式)
ディスプレイ出力HDMI、D-Sub15ピンHDMI、D-Sub15ピンHDMI、D-Sub15ピンHDMI、D-Sub15ピン
メモリーカードSDメモリーカードSDメモリーカードSDメモリーカードSDメモリーカード
USBポートUSB3.0×3(電源オフチャージ×1)USB3.0×3(電源オフチャージ×1)USB3.0×2(電源オフチャージ×1)USB3.0×3(電源オフチャージ×1)
Webカメラ720p200万画素1080p720p
レイアウト
本体前面(左から)マイク、ヘッドフォン、SDメモリーカードSDメモリーカードDVDスーパーマルチドライブ、ボリューム調整ボタン、画面ロックボタン、SDメモリーカードSDメモリーカード
本体背面(左から)なしなしなしなし
本体左側面(手前側から)無線スイッチ、USB 3.0(電源オフチャージ)、D-Sub15ピン、HDMI、DCコネクタ、セキュリティーロック・スロットDVDスーパーマルチドライブ、USB3.0(電源オフチャージ)、有線LAN、DCコネクタペンホルダー、セキュリティーロック・スロットUSB3.0、HDMI、D-Sub15ピン、有線LAN、DCコネクタ
本体右側面(手前側から)PCカードスロット(TypeI/II)、DVDスーパーマルチドライブ、USB 3.0×2、有線LANヘッドフォン/マイク兼用、USB3.0×2、HDMI、D-Sub15ピン、セキュリティロック・スロット無線スイッチ、ヘッドフォン、マイク、USB3.0(電源オフチャージ)、USB3.0、HDMI、有線LAN、D-Sub15ピン、DCコネクタヘッドフォン/マイク兼用、USB3.0(電源オフチャージ)、DVDスーパーマルチドライブ(着脱可能)、USB3.0、セキュリティロック・スロット
点数8.59.588.5

 今回取り上げた4製品はどれもひととおりの端子は搭載しており、ビジネス向けで需要の高い有線LAN、D-Sub15ピンはすべてが装備している。今回は光学ドライブ搭載を条件としているので、光学ドライブもどれも搭載している。

photo
 中でももっとも良いのはdynabook R73だろう。D-Sub15ピンとHDMIは右側面のほぼ中央だが、隣のUSBポートとは距離が確保されている。これを9.5ポイントのトップ評価とした。LIFEBOOK S935/KとVersa Pro タイプVCは、ディスプレイ出力が左側面のかなり手前側にあるうえ、隣にあるUSBポートとの間隔も短めということで、dynabook R73からマイナス1ポイントの8.5ポイント評価とした。Let'snote CF-MX4は、端子を右側面に集めている。ディスプレイ端子は比較的後方にあるものの、端子間の間隔が狭く窮屈な印象がある。USBポートも他に比べて1基少ないため、8ポイントとした。

 なお、Versa Pro タイプVCはPCカードスロット(TypeII)という他にはない装備があるが、今となってはさすがに特殊な装備すぎると判断し、特にプラス評価はしていない。

■Versa Pro タイプVC
有線LANやD-Sub15ピンも含めてひとおおりのインターフェイスを揃えており、USB 3.0ポートも両側面手前側の使いやすい位置にある。ディスプレイ出力が手前側で、特にD-Sub15ピンがUSBに近い点はマイナスだ。PCカードスロット(TypeI/II)を搭載するのは珍しいが、あまりに特殊なだけに評価には考慮していない。

■dynabook R73
有線LAN、D-Sub15ピン含めてビジネスに必要な端子をひととおり備える。USB 3.0ポートは合計3基装備し、左右どちらの側面からもアクセスできる。ディスプレイ出力の配置はベストとはいえないが、隣のUSB 3.0ポートとは距離が確保されている。

■Let'snote CF-MX4
左側面にペンホルダーがあることから、端子は右側面に集中させている。2in1デバイスとしてタブレットスタイルとして使う場合には分かりやすいとはいえるが、端子間の間隔が狭く、コネクタが大きい場合は干渉の心配がある。またUSB 3.0ポートは右側面の2基のみで、他の3製品に比べて1基少ない。

■LIFEBOOK S935/K
有線LAN、D-Sub15ピン、合計3基のUSB 3.0ポートを含めてビジネスに必要な端子をひととおり備える。ディスプレイ出力が左側面の手前側と操作するユーザーに近い位置にあり、しかもUSB 3.0ポートのすぐ隣にある点はマイナスだろう。

9.キーボードとポインティングデバイス比較 ~快適に入力作業ができるか?~

 キーボードの打ちやすさは、ビジネスの効率、生産性に大きく影響する。キーボードに妥協したくないということは、こうしたバランス型のモバイルノートPCを選ぶ大きな理由の1つでもあり、特に見逃せない要素だ。キーピッチやストローク、パームレストの奥行き、バックライト搭載の有無など、キーボードの仕様を調査してまとめている。

 ポインティングデバイスについても調査してまとめている。こちらは好みの部分も大きく、マウスなど代用手段もあるためキーボードに比べると重要度は低いが、屋外で使用する場合などポインティングデバイスの使い勝手も無視することはできないため、控え目に評価に組み入れている。

比較9■キーボードとポインティングデバイス
キーボードとポインティングデバイスNEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
キーボード
配列6列アイソレーション6列アイソレーション6列アイソレーション6列アイソレーション
キーピッチ(実測)19×19mm約19×約17mm19×15.2mm約19×約19mm
キーストローク2.4mm約1.5mm2mm約1.2mm
Enterキーの幅上段36mm/下段31mm上段39mm/下段34mm上段20mm/下段15mm上段30mm/下段25mm
カーソルキーの処理同列だが←→を大きくとる工夫同列だが、キーを小さくして→の両側を空けている。一段下げているが、→の右にFnがある一段下げて↑キーの両側を空けている
パームレスト奥行き70mm82mm94mm65mm(カーソル部51mm)
キートップ形状微妙なくぼみあり微妙なくぼみあり(0.2mm)ほぼ平らほぼ平ら
ボディのたわみまったくないまったくないまったくないまったくない
バックライト非搭載非搭載非搭載非搭載
ポインティングデバイス
種類クリックパッドタッチパッドタッチパッドタッチパッド
パッドサイズ90×60mm99×46mm93×53mm97×42mm
ボタンパッド一体型2ボタン独立型2ボタン独立型2ボタン独立型
タッチパネル/デジタイザ非搭載非搭載タッチパネル搭載(静電容量式)非搭載
点数9.58.578.5

 キーボードの完成度がもっとも優れているのは、Versa Pro タイプVCだろう。キーピッチは縦横とも19mmを確保しており、ストロークも2.4mmを確保しつつ、重すぎないタッチ感を実現している。Enterキーやカーソルキーのサイズが大きい点も打ちやすさに貢献している。

photo
 dynabook R73、LIFEBOOK S935/Kもレベルの高いキーボードだ。前者は縦のピッチが若干狭い点と、Enterキー周囲のキーが小さめな点が気になる。LIFEBOOK S935/Kは、タッチ感は悪くないにしてもストロークがかなり浅いことやパームレストが少し短いことが少しマイナスだろう。Let'snote CF-MX4は、縦ピッチがかなり狭くて窮屈に感じるうえ、レイアウトも変則的に大きく割り引きが必要だろう。

 ポインティングデバイスは、LIFEBOOK S935/Kのタッチパッドの操作感が良い印象。dynabook R73とVersa Pro タイプVCは可もなく不可もなしといったところで、Let'snote CF-MX4はボタンの作りがあまり良くない印象だ。ただ、Let'snote CF-MX4のみ、タッチパネルを搭載しており、指や付属のタッチペンで操作できる。今回はあくまでノートPCとして評価しているが、ノートPCとして使う場合でも屋外や外出先でちょっとした操作をする場合には便利なので、プラスに考慮すべきだろう。

 採点は、キーボードがほぼ完璧でタッチパッドが並レベルのVersa Pro タイプVCが9.5ポイント、キーボード、ポインティングデバイスとも及第点以上のdynabook R73とLIFEBOOK S935/Kはともに8.5ポイントとした。Let'snote CF-MX4はキーボード、タッチパッドともあまり良い出来ではないが、タッチパネルのメリットを加味して7ポイントとした。

■Versa Pro タイプVC
縦横とも19mmキーピッチを確保しており、Enterキーやカーソルキーも大きく、ゆとりがあってとても打ちやすい。キートップには指を置きやすいくぼみがつけられており、2.4mmを確保したストロークの感触もきわめて良好だ。2ボタン独立型タッチパッドは、ボタンの音が少し気になるが、操作感は可もなく不可もなくといったところだ。

■dynabook R73
キーボードのタッチ感は良好。やや縦ピッチは狭いが、Enterキーが大きく、パームレストも広くゆったり感はある。Enterキー近くのキーや半角/全角キー、カーソルキーはやや小さめだ。2ボタン独立型のタッチパッドはボタンの音が少し気になるが操作感は良い。

■Let'snote CF-MX4
キーピッチは横は19mmと広いが、縦が15.2mmとかなり狭い。カーソルキーの右にFnキーがある独特の配置で、カーソルキー自体も小さいため、ミスタイプしやすい印象だ。タッチパッドは2ボタン独立型だが、ボタンのストロークが浅く、操作感は今ひとつだ。画面に静電容量式のタッチパネルを搭載しており、屋外や外出先でちょっとした操作をする場合には便利に使える。

■LIFEBOOK S935/K
キーピッチは縦横とも約19mmを確保しており、大きめのEnterキー、カーソルキーを一段下げるなど、ゆとりのあるレイアウトで打ちやすい。ストロークは浅いが、タッチ感は良好だ。パームレストが少し短い点は苦手な人もいるかもしれない。2ボタン独立型のタッチパッドの操作感は良好だ。

10.液晶ディスプレイ比較 ~長時間使用しても見やすいか?~

 業務の生産効率を考えると、液晶ディスプレイの見やすさも見逃せない。映り込みにくいノングレアであることがビジネスの王道だが、13型クラスであれば最低1600×900ドットクラスの解像度も欲しいところだ。また、角度を変えても視認できる広視野角は明確なメリットとなりうるだろう。そのほか、高輝度やヒンジ角度の自由度が高ければより幅広い場面で作業できるし、高画素密度や広色域であれば快適に作業できる。

 こうしたスペックを調査するとともに、エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を使って実測した結果も表に記載した。なお、液晶の配向方式が非公開の製品は見た目の印象から推定した。ビジネスでは厳密な色合わせなどが求められることはないが、あまりに色味がおかしい製品では、業務に支障が出ることもあるだろう。

比較10■液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイNEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
サイズ13.3型13.3型12.5型13.3型
表示画素数(アスペクト比)1600×900ドット(16:9)1920×1080ドット(16:9)1920×1080ドット(16:9)1920×1080ドット(16:9)
画素密度約138ppi約166ppi約176ppi約166ppi
表面仕上げノングレアノングレアグレア(アンチグレアシート装着)ノングレア
液晶配向方式IPS非公開(IPS)IPS非公開(IPS)
ヒンジの角度約140度約140度360度約140度
測定輝度365cd/m2310cd/m2244cd/m2322cd/m2
測定色温度6961K6890K6850K7663K
測定色域:sRGBカバー率(面積比)67.9%(68.3%)98.6%(102.3%)100%(106.1%)98.7%(101%)
点数997.510

 調査結果は表にまとめたとおりだ。ノングレア(Let'snote CF-MX4のみグレアにアンチグレアシート貼り付け)で広視野角のIPSパネル、1600×900ドット以上の解像度という条件は全機種がクリアしている。色味が明らかにおかしい製品も存在せず、ハイレベルな内容といえる。特にLIFEBOOK S935/Kとdynabook R73は輝度や色域も優秀な計測結果がでているが、後者はノングレアにしては若干光の拡散が弱めな印象で、ノングレア特有の白浮きも気になった。そのため、LIFEBOOK S935/Kが10ポイントで、dynabook R73は9ポイントとした。Versa Pro タイプVCも見た目の印象は良い。4製品の中で唯一解像度が1600×900ドットにとどまるが、13.3型というサイズを考えれば、十分な情報量で大きなマイナスではない。色域が少し狭い点と合わせてマイナス1ポイントの9ポイントとした。

photo
 Let'snote CF-MX4は、この中で唯一12.5型とサイズ面で不利なことのほか、測定した最大輝度も低かった。グレアパネルにアンチグレアシートを貼り付けているという仕様のためか、映り込みの低減効果は弱めで、白浮きも気になった。7.5ポイント程度が妥当だろう。

■Versa Pro タイプVC
唯一解像度が1600×900ドットで画素密度で見劣るため目を意識して近づけるとドットが視認できるが、タイピング姿勢で見るぶんには特に粗いという印象はない。1920×1080ドットを1.25倍表示で使うのと情報量もさほど変わらない。IPSパネル採用で視野角広く、輝度も高い。色域は狭いが、色味は素直で見やすさという点では及第点以上を与えられる。

■dynabook R73
視野角が広く、輝度も十分。色域もsRGBをほぼカバーし、色味も素直だ。ただ、ノングレアにしては光の拡散が弱めな印象で、白浮きも若干気になる。

■Let'snote CF-MX4
他の3製品に比べてサイズが少し小さいほか、最大輝度が低めで、どうしても地味に映る。光沢処理にアンチグレアシート貼り付けという処理のためか、他のノングレアと比べると映り込みが気になり、白浮きも目立つ。色域は広いはずなのだが、見た目にパリッとしたところがない。

■LIFEBOOK S935/K
ノングレアで広視野角、フルHD解像度表示と仕様的に文句がない内容。測定結果は色温度が高めなのは少し気になるが、それ以外は輝度や色域、色味ともに文句がない内容だ。見た目の印象も非常に良い。

総合評価 ~全項目でハイレベル! 10番勝負を制したのはdynabook R73~

 それぞれのチェックポイントで見てきた各項目を表にまとめ、点数を平均して算出した。

■総合評価
合計NEC
Versa Pro タイプVC
東芝
dynabook R73
パナソニック
Let'snote CF-MX4
富士通
LIFEBOOK S935/K
パフォーマンス9988
消費電力41089
サイズ、質量89107.5
ACアダプター71098
バッテリー49.51010
放熱性能81067
堅牢性8.5998
インターフェイス8.59.588.5
キーボードとポインティングデバイス9.58.578
液晶ディスプレイ997.510
総合(平均)7.559.358.258.4

 結果は、東芝のdynabookが9.35ポイントでトップで、2位のLIFEBOOK S935/Kに0.95ポイント差を付けた。内訳を見ると、8.5ポイントが1項目あるだけで、他はすべて9ポイント以上を獲得しており、バランスの良さが際立つ結果となった。


photo
 パフォーマンスと消費電力/バッテリー、ボディサイズ/重量とインターフェイスなど、それぞれトレードオフの関係にある要素を見事に両立している点は見事というほかはない。テストでは第6世代Coreプロセッサーの電力効率の良さも感じられ、それをいちはやく採用したアドバンテージが好結果に貢献していることは確かだが、即ビジネスの実用性のメリットとして生かせたのは、放熱や機構設計の技術力、およびビジネスの現場のニーズに対する理解力の高さ、企画の手腕があってこそだろう。

 冒頭でも述べたように、バランスの良さ、弱点のなさからくる適応力の高さこそがこのジャンル全体の魅力だ。その中でも特に秀でたバランスの良さを実証したのだから価値が高い。ビジネスのさまざまな現場で生産性を向上させることは間違いないが、1台で多用途に対応でき、消費電力も低いことから、備品(インターフェイスの変換アダプターなど)の導入/管理コスト削減やランニングコスト削減といったTCO削減効果も期待できる。ビジネス向け薄型軽量スタンダードPCの決定版として強く推薦できる製品だ。

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