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  • 2014/03/31 掲載

シンクライアントと仮想化技術に潜む3つの落とし穴、"尖った方法"は最適解になるか?

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ここにきてシンクライアントやデスクトップ仮想化の導入が活発化している。セキュリティ向上や運用コストの削減、リモートアクセスの利便性などが実現できると大きく喧伝されているが、こうしたテクノロジには“落とし穴”も多くある。そのため、いざ社内に導入しようとするとハードルが高かったり、実際に思い描いていた効果がなかなか得られないといったケースが見受けられるのも事実だ。ここでは、シンクライアント導入の何に気を付けるべきなのか、そしてどのように落とし穴を回避すればよいのかを考えてみたい。

従来のシンクライアント導入に潜む3つの落とし穴

 ITやネットワークの著しい進展は、我々のワークスタイルに大きな変化をもたらした。しかし、その一方で、現在ほとんどの企業において、PCやアプリケーションの運用・管理に多大な労力と負担がかかるようになった。このような背景のなかで、シンクライアント、あるいはデスクトップ仮想化といった技術の活用が拡がっている。

 ご存知のように、これらの技術はさまざまなITリソースをサーバ側で仮想的に配して一元的に管理したり、あるいは外部からリモートアクセスすることで、運用・管理コストの削減や利便性を実現するものだ。さらに後者のリモートアクセスでは、セキュリティ対策として重要な情報流出を保護するという効果もある。

 しかし、いざこれらの技術を検討してみると、実際に想像していた以上に導入へのハードルが高かったり、しばらくすると現場で使われなくなったりするケースもあるようだ。その原因とは一体何だろうか?

 まず第一の原因は、セキュリティの問題だ。仮想化とシンクライアントのメリットは高セキュリティを維持しながら、ITリソースをサーバ側で一元管理し、いつでもどこでも外部からのアクセスを実現できること。ただし、たとえば専用端末を使う場合、利用できるデバイスもその端末に限定されてしまう。そのため場所を選ばずにPCを利用できるデスクトップ仮想化のメリットを十分に活かし切れない。

 一方で、これをソフトウェア側で実現しようとすると、今度はセキュリティが問題になる。業務PCの社外利用はもちろん、自宅PCの利用はもってのほか、という企業は少なくないだろうが、これではBCP対策や在宅勤務への活用の道も閉ざされてしまう。

 第二の原因が、運用・管理における手間の問題だ。デスクトップ仮想化やシンクライアントのコンセプトは、管理を減らすことも大きなメリットと謳われている。しかし、そう言いながらも、結局のところ管理対象となる端末が増えれば、PCのOSへのパッチ適用やアプリケーションのアップデートは必要になる。また専用端末を導入すればデバイス自体の管理は避けられない。

 そして第三の原因は、やはりコストの問題だ。専用端末を導入するとなると、端末自体は安価であったとしても、加えて維持費や関連ソフトウェアなどにコストがかかることがある。もちろん安く抑えることもできるが、その場合はセキュリティが犠牲になりがちだ。中でもバカにならないのが、セキュリティソフトの費用だ。更新費用がかさめば、トータルコストでの負担も大きくなる。

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