通信コスト削減の新常識、「光にしておけば万全」とは限らない
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「光にしておけば万全」とは限らない
「たとえば、多店舗展開をされているお客さまで、各店舗に64kbpsのISDN回線を使ってPOSデータをやりとりされているケースがあります。やりとりするデータ量が増えた結果、さすがに通信速度が厳しくなり、リプレースのニーズが顕在化しています。しかし、そこで100Mbpsの光回線が必ず必要かというとそうではないはずです。従来のISDN回線から光回線に切り替えれば、確かに速度は向上しますが、その分コストも追加でかかることになります」(都築氏)
1MBのファイル転送に約2分もかかるISDNでは、やはりストレスは大きい。そして、ISDNを使っているかぎり、分析に必要なデータ収集もままならない。そこで、新しいインフラとして選択肢に上がるのが光回線だが、64kbpsが厳しいからといって、100Mbpsの光回線に切り替えるのは、多くの場合オーバースペックになりがちだ。
「また、複合施設の店舗では、多くの場合、1本の光回線を複数のユーザー(店舗)でシェアすることになりますが、中にヘビーユーザーがいると、思ったほどのパフォーマンスが出ないケースもあります」(都築氏)
もちろん、大容量動画のストリーミングなど、光回線が不可欠な場合もあるだろう。しかし、前述のISDNのほか、たとえばデジタルサイネージや監視カメラのモニター回線など、光回線ほどの速度は不要な利用シーンも少なくない。
「デジタルサイネージの場合、夜間などの一定のタイミングでデータを送ればよいので、光回線はオーバースペックです。もちろん、すでに光回線が来ていればそれを使えばよいのですが、新たに回線を引く場合はコスト増につながります」(都築氏)
一方、一般のコンシューマ向けに提供されている光やADSLの固定回線サービスでは、メールアドレスやストレージサービス、VoIPサービスなど、不要なサービスが付帯、あるいは用意されているケースも多く、とにかくブロードバンド網(1Mbps以上の回線)を、コストを徹底的に抑えて利用したいという場合には不向きだ。従来のこれらの通信サービスは、シンプルなサービスで徹底してコストを抑えたいという企業のニーズに対応してこなかったのである。
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