震災でわかった、本当に使えるITインフラの災害対策における3つのポイント
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東日本大震災でBCPは機能したのか
「社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査によれば、震災前にBCPを策定し、定期的な見直しをし、きちんと運用できていた企業はわずか15%しかいなかったそうです。85%の企業は、策定していなかったか、実際の運用に必要な定期的な見直しを行っていなかったということです。作ってはいたけれど活用できなかったという声が多く聞かれますが、その多くは作りっぱなしで見直しを行っていなかったからではないでしょうか」(北塚氏)
BCPの重要性が広く認知されながらも対策は十分ではなかった。その理由は企業それぞれだが、対策が十分でなかった企業は大きく2つに分けられると、北塚氏は指摘する。
「ひとつは、十分だと思っていた対策が実は十分ではなかったという企業です。もうひとつは、対応範囲の広さとは裏腹に予算が少なく、対応が進んでいなかった企業です」(北塚氏)
BCPを策定し、十分な対策を取っているつもりだったのだが、うまく機能しなかったという企業は実際に多くあったようだ。中には、定期的な見直しや半年ごとのリハーサルまで行っていたのに、当日にはうまく活用できなかったという企業もあるという。これらはいずれも、北塚氏が指摘する前者に当てはまる。これを解決するためには、見直しやリハーサルの頻度を高めることが重要だが、いつ起こるかわからない災害のために、日々リハーサルを行うのは現実的ではない。
後者は、BCPの策定自体が困難だった企業だ。そもそもBCPの策定は、IT部門だけで把握できる課題ではない。災害時の勤務体系など、人事や総務的な視点での取り組みと表裏一体になっている上、ITだけが動いても工場や流通が止まれば本来の業務の継続は難しいという問題もある。困難な取り組みにも関わらず、普段から使うものではないために多くの予算を振り分けることもできず、十分な対策を取ることができなかったという企業は少なくないだろう。
使える災害対策のために重要な3つのポイント
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