請求書はPDFでもOK?企業間のペーパーレス化の現状と解決策
【特集】ペーパーレス化で変わる!企業間コミュニケーション
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しかし、対社外となると事情は異なる。一社の都合だけでは実現できないということもあるが、たとえば取引先や代理店と納品書や請求書をやりとりする場合、「これまでが紙だったから」「紙でないと相手に失礼になるのでは」といった理由から、あまり深く検討されないまま紙が使われ続けているケースも少なくないようだ。
ところが、ネクスウェイが実施した請求書の電子化に関する調査によると、意外な結果が判明した(図1)。紙ではなくPDFファイルの電子配信を利用してもよいという企業が45.4%にのぼったのだ。特に顕著だったのが中堅・中小企業で、売上高10~100億円規模の企業や従業員数101人~300人の企業では利用に前向きな企業が上回った。一方で企業規模が大きくなるにつれてその割りは減っていく。
ネクスウェイ コミュニケーションデザイン部 リーダー 金城了平氏によれば「中小企業では人手も電子化も変わらないが、中堅企業は電子化によって業務効率が大幅に改善される。ただ、大企業になると今度は電子帳簿保存法への対応やルール変更が大がかりになることが原因のため、電子化に踏み切れないのではないか」とみる。
確かに請求書類の電子化には、多くのメリットがある。最も大きいメリットはコストだろう。毎月、大量の請求書や納品書を郵送すると、人件費も含めた印刷・郵送のコストはかなりの金額になる。電子化によって、こうしたコストを一気に削減できるメリットは大きい。さらに、データの検索性や保存性という点でも、電子データの優位性は明らかだ。
ただし課題もある。第一は帳票ソリューションが高価であるということ。コスト削減に効果があることはわかっていても、初期投資の金額を見て二の足を踏む企業は少なくない。もう1つは、相手が対応していなければ導入が困難なこと。こちらが電子帳票システムを導入しても、相手が郵送やFAXでの送付しか受けつけられないとしたら、まさに宝の持ち腐れになってしまう。
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