- 2022/08/26 掲載
電通と電通デジタル、複数のデータクリーンルーム環境を一元管理する「TOBIRAS」開発
現在、改正個人情報保護法の施行や、ブラウザやアプリOSの仕様変更に伴い、Cookieや広告識別子のマーケティング活用にはユーザーの適切な事前同意および許諾が必要となるケースが増えています。そのような中、プラットフォーム事業者が許諾を取得したデータやその他の外部データを個人が特定できない環境で分析しながら、従来以上に高度なデータマーケティングを可能にするデータクリーンルームの活用に注目が集まっています。
電通と電通デジタルは、欧米でCookieの活用が制限され始めた2016年からデータクリーンルームに着眼し、グループの海外事業を統括支援する電通インターナショナル社と共に、世界に先駆けて各プラットフォーム事業者のデータクリーンルームの利用ライセンスを獲得することで、2022年現在までに900件以上の分析結果やソリューションを顧客企業に提供してきました。
一方で、データクリーンルームはプラットフォーム事業者ごとに分析に必要な環境やシステムの仕様が異なるため、運用を一元化したり、データクリーンルーム同士のデータを比較検討したりできないという課題がありました。
そこでこの課題を解決するために「TOBIRAS」を開発しました。
「TOBIRAS」は、複数のデータクリーンルームに対して一括で安全なデータ転送が可能であり、同一の集計および補正ロジックにより各データクリーンルームの分析結果を統一指標によって横並びで比較や評価ができます。また、これまで手動であったコーディングをはじめとする関連操作の多くが自動化されるため、スピーディかつ安定的に、正確で柔軟な分析結果の提供が可能です。これらにより顧客企業内での迅速なPDCAや意思決定をサポートすることができます。
さらに、これまで電通と電通デジタルが開発してきたデータクリーンルーム関連のプロダクトを「TOBIRAS」と連携させ、TOBIRAS Insight / TOBIRAS Activation / TOBIRAS Measurement / TOBIRAS Optimizationとして体系化・再構築しました。これによって、ターゲット分析・デジタル広告プランニング・効果測定・運用の最適化など、顧客企業のマーケティングの目的や課題に合わせてデータクリーンルームのデータや分析結果を効果的に活用することができます。
また、データクリーンルームにおけるデータ連携や活用には、データサイエンスの専門的・法的知識などの人財のノウハウが求められることも課題であったため、データクリーンルームに特化した独自の研修・育成制度を整備しました。統計や機械学習に関するデータサイエンスの専門知識や実務経験に加え、法律や規約を正しく理解し適法な許諾の範囲において活用を行う法令順守の視点や、データ利活用が生活者にとって有益な内容になっているかを見極める顧客体験の視点などのデータ・エシックスの専門性を兼ね備えた社員を「認定アナリスト」として、現時点で300名以上を認定しています。
※プラットフォーム事業者が広告主・広告会社などに提供するクラウド環境。プライバシーが保護された環境下で、プラットフォーム事業者の保有データと、企業の1st Partyデータ、その他複数の外部データを、さまざまなニーズに応じて柔軟に統合、分析することが可能。
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