- 2024/07/22 掲載
米地銀決算、減益相次ぐ 預金コスト上昇や融資需要低迷で
[19日 ロイター] - 一部の米地方銀行・中堅銀行が19日発表した第2・四半期決算は軒並み減益となった。預金コストの上昇や融資需要の低迷が響いた。
米国では今年、大半の銀行が純金利収入の減少を予想。高金利を背景に融資需要が減退していることに加え、顧客をつなぎとめるため、預金コストが上昇していることが背景だ。
ムーディーズの銀行業界担当幹部、クリス・スタンレー氏は「高金利、不透明な経済見通し、オルタナティブ(代替)融資との競争により、伝統的な銀行貸出の需要は引き続き鈍化している」と指摘。「こうした環境下では、銀行は規模にかかわらず、成長の前提を批判的に検証する必要がある」と述べた。
銀行の純金利マージンも3四半期連続で縮小している。
19日に第2・四半期決算を発表したハンティントン・バンクシェアーズ、フィフス・サード・バンコープ、リージョンズ・ファイナンシャル、コメリカはいずれも減益となった。
フィフス・サードの株価は寄り前の取引で1.5%下落。リージョンズとコメリカもそれぞれ3%、11%値下がりした。
複数の銀行幹部は、金利収入が逆風に直面しているため、経費削減に積極的に取り組んでいると述べている。
貸出債権の状況にも注目が集まる。今年はニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)やファースト・ファウンデーションで商業用不動産ローンを巡る懸念が浮上した。
商業用不動産に加え、消費者を取り巻く環境も金利上昇で悪化しており、銀行は貸倒引当金や資本バッファーの積み増しを進めている。
米連邦準備理事会(FRB)のストレステスト(健全性審査)では、銀行のクレジットカード・ローンや法人向け融資のポートフォリオに問題が生じるリスクも示されている。
22日から始まる週にはNYCBやファースト・ファウンデーションが決算を発表する。
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