- 2024/05/29 掲載
温暖化は米経済に長期打撃、資本ストックや消費押し下げ=SF連銀
同連銀のシニアエコノミストとウィリアムズ・カレッジの2人の教授が共同執筆したこの論文によると、二酸化炭素(CO2)削減の大規模な取り組みがなされないシナリオの下では、将来的に猛暑日が急増し、2200年までに米国の資本ストックを5.4%押し下げるとともに、毎年消費を1.8%減らしてしまうという。
彼らが前提としたのは、屋外での作業が熱中症につながる年間日数が20年の22日から2100年には80日に増えるとの科学者の試算。その上で、多くの製造業やサービス業と異なり、エアコンの恩恵を受けられない建設セクターの労働生産性が低下する公算が大きいと予想した。
特に建設セクターを取り上げたのは、農業や鉱業といった他の屋外労働よりも米国の国内総生産(GDP)や投資に占める比率が高いため。
論文は「建設労働の生産性低下は資本の蓄積を遅らせて、マクロ経済的な展開に長期持続的な影響をもたらす」と結論付けた。
極端に暑い日が2100年までに年間125日に増えるという、より確率の低いシナリオの場合、建設労働の生産性は一層低下し、2200年までに資本ストックは18%、消費は7%減るとみている。
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