MITメディアラボの石井副所長が絶賛!人類未踏の「脳」に挑戦するストレージ
東芝メモリ SSDフォーラム 2018 レポート
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メモリが明日のビジネスを支える理由
SSDフォーラムのオープニングセッションで登壇した東芝メモリ 常務執行役員 SSD事業部長の横塚 賢志氏は、「ストレージこそがさまざまなビジネスのキーデバイスとなる」と語った。横塚氏によれば、2020年代にはPCのみならず家電・自動車までを含むエンドポイントデバイスの数は300億超まで増加し、クラウドサービスは億を超えるユーザーをサポート、また企業のオンプレミスシステムは実ビジネスとITの統合の推進によりさらに成長し、爆発的なデータの生成と、その分析・利用を支えるデータ活用基盤の構築が全世界的な緊急課題になるという。そのため、「NANDフラッシュによる高速でのデータアクセスは必須技術となる」と横塚氏。
「 SSDの適用領域・規模が拡大することにより、これまで十分に活用できていなかったデータを解析して、従来は感覚的に判断されていた物事の理由、傾向を明確にすることで意思決定を高度化・迅速化できます。また、データ活用によって、これまでにはなかった新たなビジネスの発掘や創出も可能になります」(横塚氏)
莫大なデータの活用を、フラッシュメモリの適用・利用の拡大で支えるべく、4つの“SCALE”(高密度化、大規模化、高性能化、セキュリティ)を進め、将来的なビジネスの成功を支える――そんな展望から、今回のSSDフォーラムには「SCALE TODAY, OWN TOMORROW」というテーマが冠されているという。では具体的にどのようにしてメモリが未来のビジネスを作るのか。まずはMITメディアラボの例を見ていこう。
人類の未知領域「脳」を研究するMITメディアラボ
世界中から人材を集め、世界最先端の独創的な研究を進めているMITメディアラボ。その副所長 石井 裕氏は、「われわれ研究者にとって大事なことは儲かることよりも、オリジナルであり人々の役に立つ、ということです」と語り、現在挑戦している最重要プロジェクトについて紹介した。
それは、「宇宙」「深海」と並び、人類の未踏領域である「人間の脳」だ。
「人間の脳には、860億の神経細胞(ニューロン)、150兆のシナプスがあります。私たち人間の脳が『どのように働いてクリエイティブな世界を創り上げるのか』、あるいは『どういう問題を解決に向かわせることができるのか』を研究するチームがMITメディアラボにはあります」(石井氏)
そのチームをけん引しているのが、神経科学者であるエドワード・ボイデン(Edward Boyden)氏だ。同氏は、アルツハイマー病などさまざまな病気の解明を目指し、通常の観察限界を超えるような特徴を一般的な光学顕微鏡を使って解像し、脳全体を分子レベルで詳細に画像化する技術の実用化に取り組んでいる。
これが、紙おむつや生理用品に使われる吸水性ポリマーを使用することによって観察対象を膨張、詳細な観察を実現させる「膨張顕微鏡法(Expansion Microscopy)」だ。石井氏は、この“Expansion Microscopy”を「とてつもない発明」と絶賛する。
「このデータを医療のプロフェッショナルが見れば、通常はわからない変化の予兆にも気づけますし、人間の記憶を解明することにつながるでしょう。科学のフロンティアにおける貢献、エポックメイキングな発明です」(石井氏)
しかし、このアイデアを実用的なものにするためには、強力なコンピューティングシステムが必要不可欠だった。つまり、“Expansion Microscopy”で8000倍まで拡大された細胞組織のデータを、「画像処理」して「3D映像を作り」「高解像度ディスプレイに表示」させることのできる、高性能かつ最先端のコンピューティングリソースが求められたのだ。
・最新ストレージは、いかにして人類の未来を支えるのか
・「未来に何を記録して残すべきか」 MITメディアラボが目指すもの
・世界初となる96層の3次元フラッシュメモリ、その実力は
・“Flash Native Solution”への挑戦
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