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- 2023/12/06 掲載
【独占】エミレーツ航空取材、中東をけん引する航空会社が日本市場で狙う勝ち筋
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
止まらない中東の航空業界の勢い
世界の航空業界は米国がけん引しているのは間違いない。民間航空業界の輸送力を比較すると、米国は他の追随を許さない。世界の航空の歴史は1903年にライト兄弟のフライヤー号で始まり、そのまま120年以上にわたり米国が世界をけん引し続けている。各国の航空機産業輸出額でも同様の傾向が出ている。では、世界第2位を占める国はどの国だろうか。民間航空の輸送力で比べると中国の比率が高い。その次に、中東やインドが入る。国別の数字は以下の図表を見ていただくとして、この数字は皆さんの予想通りだろうか。
6位のロシアはウクライナへの侵攻で各国との断交が続いており、下落は必至だ。国別ではアラブ首長国連邦(UAE)とトルコの伸長が大きく、次にインドが入る。
中東の空のシェア3割を占める、エミレーツ航空とは
UAEを筆頭に、中東の勢いはまだまだ伸びそうだ。以下に2022年世界の航空会社のRPKランキングTOP100のうち、中東航空会社を抜粋した。前出の2021年データ比で195%にもなる。この図表を見ると、中東の空のシェアの約3割を占めているのはUAEのエミレーツ航空である。とかく話題の多いスケールの大きい航空会社という印象だが、実際にはどうだろうか。
同社の航空機材は、すべてがワイドボディ機である。ボーイングの新造機では最大の777-300ER(一部777-200LR と貨物機)とエアバスで最大のA380だ。それらが計260機の機材構成というぜいたくさだ。大型機をここまで多く保有する機材構成の航空会社は、世界広しと言えど他に存在しない。
エミレーツ航空が力を入れる、ドバイ航空ショー
ドバイ航空ショーは、1989年に始まり今年で18回目を迎える。この年はエミレーツ航空が誕生した年であり、中東の民間航空の夜明けとも言える時期である。世界的に有名なファーンボロとル・ブルジェの欧州航空ショーの規模と商談額に追い付こうとする、中東地域の勢いを感じるイベントだ。2023年は、11月13日(月)から17日(金)までドバイワールドセントラル(DWC)にて開かれた。
同社は、ドバイ航空ショーの公式スポンサーに名を連ねており、出展する航空機も主力機のA380、B777-300ERに加え、訓練機となるシーラスSR22、ダイアモンドDA42-NG、エンブラエル フェノム100EVも展示機に名を連ねる。
今回、同社の日本支社長を務めるサティシュ・セティ氏に、現在の経営状況や日本市場、今後の投資状況について話を聞くことができた。
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