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  • 2020/12/18 掲載

「テレワークで成長実感がない」、転職や副業向けに磨くべき5つのポータブル・スキルとは?

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

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今回の相談者は、金融関連の会社に勤務する20代の会社員です。新卒・総合職で金融関連の会社に入社したものの、残業の禁止やボーナスのカットなど会社の将来性にも不安があるのに加え、毎日の仕事で成長を感じられず、このまま勤務し続けてもビジネススキルが身に付かないのではと危機感を感じています。平日は毎日早く帰れるのと週末の時間を使って、自らスキルアップの勉強をしようと思っていますが、何からどう始めたらいいか分かりません。将来的には、転職、副業や独立起業も考えているので、どんなビジネススキルをどのような順番で習得していけばよいのか悩んでいるため、相談に来ました。

【大杉潤への相談内容】

大手金融機関勤務5年目 矢代 朋美 <仮名> 27歳

 大手の金融関連会社に新卒で総合職として入社して5年目になります。仕事には慣れてきて、それなりにやりがいもあるのですが、今のペースで何年か仕事を続けても本当にビジネススキルや実力が付くという感覚が持てません。

 ここ数年の働き方改革で残業は禁止、新型コロナの関係でテレワークも多くなり、自分自身の成長がほとんど感じられなくなっています。ボーナスカットもあって会社の業績にも不安が出てきて、いずれ転職か副業も考えることになる気がしています。

 さらに将来的には、独立起業したいという思いもあるので、できるだけどこに行っても役に立つビジネススキルを身に付けるために、自ら勉強したいと思っています。平日は残業もないので早く帰れるし、休日の時間も使って、実践的なビジネススキルを身に付けたいのですが、何をどんな順番で勉強すればよいでしょうか。転職も起業も経験している大杉さんにぜひ、アドバイスをお願いします。

【大杉潤の答え】ベースとして必要な「2つの力」と「5つのポータブルスキル」

 前回も触れましたが、今はまったく先が読めないVUCAの時代になりました。今年の新型コロナウイルス感染症の拡大がここまで世界経済に大きな打撃を与えるとは、1年前には誰も予測できなかったわけです。そうした中で、もはや絶対に安泰な会社などないし、矢代さんが考えるように、転職、副業や独立起業を視野に入れて、さまざまな働き方に向けて備えることは、今後すべてのビジネスパーソンにとって必要になるでしょう。

 では、どこへ行っても通用するビジネススキルとはどのようなものでしょうか?私は、ベースとなる2つの力と、5つのポータブルスキルを身に付けることを薦めています。まず、ベースとなる2つの力から説明していきましょう。

 1つ目は「読解力」です。ビジネスは文書をやり取りすることで成り立つのが基本で、まずはEメールや提案資料などの文章がきちんと読めて正確に理解できることが大切です。さらに最終的には契約書がきちんと読めなければなりません。また、さまざまなビジネススキルを習得する際に、私は最も安く早く効率的に習得する方法はビジネス書を読むことだと思っております。本の「読解力」は必須です。最近では、インターネット上でも専門情報が豊富に出ているため、それらの真偽やクオリティを見極めて取捨選択するうえでも「読解力」が重要なのです。

 では、「読解力」の向上に必要なトレーニングはどのように積めばよいのでしょうか?最もベーシックなやり方は、とにかく量をこなすこと。集中的に読書をし、量をこなすことで、ある時点において必ず、「量」は「質」に転換します。

 そして短期間で「量」をこなすために必要なのが「速読力」なのです。「速読力」を上げるための読書術については、本連載の「コロナ自粛での読書術、早く集中して読むための3つのポイント」を参照してください。そこでは速読するための3つのポイントと、実際に実践する場合の6つのステップを分かりやすく解説しています。その手順で、ビジネス書に関して言えば、読破した本が1,000冊を超えれば、誰でも速読ができるようになります。



 次に、ベースとなる2つ目の力は、「英語力」です。まずは、日本語の読解力が重要なのですが、Webサイトの7割は英語で書かれていること、そしてグローバル化の進展によって、ビジネス現場は多様性が当たり前になっているため、「英語力」は今や必須の基礎スキルでしょう。ビジネスの共通語は英語だからです。

 ビジネス英語力の向上にはTOEICスコアを上げることが一番の近道ですが、その勉強法については本連載の「TOEICスコアを確実に上げる「王道の方法」とは?」に詳しく書きましたので、ぜひそちらを参照してください。TOEICはビジネス英語のリスニング力とリーディング力を測る2時間のテストですが、実はこのテストで測定されるのは英語力だけではありません。ソフトバンクグループの孫正義社長や楽天の三木谷浩史社長がTOEICスコアを重視するのは、TOEICが情報処理能力も測定する試験だからです。TOEICスコアが高い人ほど仕事が早く正確という相関関係が広く知られるようになり、多くの企業でTOEICスコアがますます重視されるようになっています。

【次ページ】転職や副業に必須の「5つのポータブルスキル」
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