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- 2021/03/02 掲載
再雇用の先輩たちを見ていると不安…「定年ひとり起業」成功の5原則
連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所
【大杉潤への相談内容】
新卒で地元の地方銀行に入り、ずっと勤め続けて55歳になりました。昨年、55歳の役職定年を迎えて管理職ポストを外れ、特命事項を担当しながら、周囲の後輩から求められれば助言・指導する立場にあります。
銀行の先輩方の大半は、60歳定年を迎えた時に定年再雇用制度を活用して、そのまま銀行に残って仕事をする、またはグループ会社に出向してその後、転籍するという進路を選択しています。ただ、多くの人たちがあまり意欲的に仕事をしているわけではなく、待遇面や仕事の内容に不満を持ちながら働いています。
そうした元気のない姿を見ていると、自分が60歳定年の時に再雇用で銀行に残るイメージが湧かず、以前から温めていたコンサルティングの仕事で独立起業することを真剣に考え始めました。
今年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法により、うちの銀行でも定年再雇用に加え、業務委託契約を締結するなど起業を支援する仕組みが導入されることになりました。
大杉さんは「定年ひとり起業」という働き方を提唱され、自らも57歳で独立起業した元銀行員ということなので、経験談も含めて「定年ひとり起業」を成功させるためのポイントや定年前の準備などについて、ぜひアドバイスをお願いします。
【大杉潤の答え】「定年ひとり起業」の定義と5原則
改正高年齢者雇用安定法(=通称「70歳就業確保法」)が4月1日に施行されることで、いよいよ誰もが「70歳まで働く時代」が到来したと私は感じています。そうなると、これまで大半の会社員が定年再雇用で同じ会社で働き続けるという慣行が変わり、働き方が多様化すると見ています。「定年ひとり起業」もその選択肢の1つとして今後、大きく注目を集める働き方になるでしょう。
私が提唱している「定年ひとり起業」の定義からお話ししましょう。定年ひとり起業とは、会社に所属し続けた場合に大きな条件変化が訪れる60歳を見越して、定年前の50代、60歳定年時、定年再雇用期間中または再雇用終了後に、会社員を卒業して独立起業する働き方のことです。
「定年ひとり起業」は、一般的な起業と呼ばれる形態と異なる特徴として以下の5点が挙げられ、これを「定年ひとり起業5原則」と私は呼んでいます。
- 会社員(または公務員)として働いた経験を長く持った上で50代または60代のタイミングで独立起業する
- 個人事業主として開業するか、ファミリー・カンパニーを設立して独立し、原則として自分ひとりで事業を行う
- 自宅を事務所にするなど初期投資を最小限に抑え、多額の仕入れや在庫保有を行わず、借金もしない、家族以外の従業員を雇わないという低リスクの事業形態とする
- 厚生年金を確保した上で、年金プラスアルファの収入(月5~10万円程度)を目指す規模の事業からスタートし、好きなことを仕事にしてストレスなく働く
- 会社員時代の経験・知識・スキル・人脈をフル活用し、足りないリソースは外部に業務委託する形で規模を拡大せずに「長く働くこと」を最優先に事業を運営する
この「定年ひとり起業5原則」をすべて満たす起業を、私は「定年ひとり起業」と定義しています。堀内さんにはぜひ、この「定年ひとり起業」をお薦めします。
【次ページ】「定年ひとり起業5原則」の深い意味
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