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  • 2020/11/13 掲載

「週休3日制」「週休4日制」は活用すべきか?その最大のメリットはどこにあるのか

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

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今回の相談者は、メガバンクに勤務する40代の銀行員。メガバンクの中で最も業績が厳しいことから、副業の解禁に続いて、「週休3日制」や「週休4日制」を選択できる人事制度が導入されることになりました。大きく変化する金融業界への対応に新しい手を打ってくる現在の経営陣に対してはよいと感じる一方で、あまりにも職場環境の変化が早く、自分自身の今後のキャリアをどう考えていけばよいのか整理がつかない状態になっているそうです。そのため、大手銀行に22年間勤務した後、3回の転職を経験し、現在はフリーランスとして複数の仕事を手がける大杉潤へ「週休3~4日制」への応募について相談に来ました。

【大杉潤への相談内容】

メガバンク勤務20年目 山本 武 <仮名> 42歳

 メガバンクに勤務する40代の中堅銀行員です。銀行を取り巻く外部環境は厳しさを増し、業績も株価もメガバンク三行の中で3番手が定位置となり、新卒採用でもここ数年は苦戦を強いられています。

 そんな中で、時代の変化に対応するため、副業が解禁されたのに続いて、「週休3日制」「週休4日制」が導入されることになりました。必ずしも中高年のリストラが目的というわけではなく、大学院やビジネススクールへの通学、育児・介護・家業の手伝いなどとの両立、あるいは新たな仕事を始める副業・起業など、多様な働き方を想定した制度であると聞いています。

 副業が解禁された時も手を上げる人はほとんどいなくて、少しずつ活用する行員が出てくる感じではないかと思うのですが、私自身は今後のキャリア形成やスキル向上などに有効な制度だと感じ、「週休3~4日制」への応募を考えています。銀行員から転職や起業を経験している大杉さんにぜひ留意点などアドバイスをお願いします。

【大杉潤の答え】大きく変化する人材ニーズ

 現在、金融機関を取り巻く環境は日に日に厳しくなっていて、低金利の長期化や資金需要の低迷はなかなか解消されそうもありません。そこへ今年春からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、もともと進んでいたデジタル化・オンライン化・リモート化の流れが一気に加速し、フィンテック企業の台頭やキャッシュレス化が日本でも本格化してきました。

 私は2019年、『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版)という本を刊行して、キャッシュレス化とAI活用などフィンテックにより、「銀行の支店は1/10以下、ATMの台数は1/5以下になる」と予測しましたが、その時に考えていたスピードよりさらに速い時間軸で進んでいる実感があります。

 今後、銀行業界だけでなく金融業全体に起こる変化として、デジタル化・オンライン化・リモート化が想像以上のスピードで進み、銀行業のビジネスモデル自体が根底から見直されるだろうと私は捉えています。

 これは金融業だけでなくあらゆる産業について、デジタル化の進展、AIやビッグデータの活用が企業のビジネスモデルを転換させるということですが、特にこれまで規制の多かった金融業では最も早く、一気に進むことになると予想しているのです。

 主要国の中央銀行によるデジタル通貨の発行検討や、ブロックチェーン技術の活用、銀行によるフィンテック企業との提携や買収、さらに地方銀行では生き残りのための統合・再編も進むだろうと思います。



求められるのは「キャリア自律」ができる人材

 こうした激しい環境変化の中で、金融業における雇用環境も大きく変わる見通しです。従来の伝統的な銀行ビジネスモデルにおける業務は大幅に縮小し、新たにデジタル人材やより高度な専門性が求められる人材、金融とIT分野の両方の知識・経験・スキルを持つ人材に対するニーズが増えていくでしょう。

 短期間でビジネス環境が大きく変わり、かつ予測ができない時代においては、企業は変化に対応して生き残りを図るために、人材の多様性を重視しています。また、指示を忠実に実行する真面目で堅実な受動的な社員よりも、自ら問いを立てて答えのない中で答えを探していく自律的な人材を求めるようになっています。

 そういう意味で、副業を解禁することによって、本来の業務ではなかなか得られない知識・経験・スキルを副業によって獲得して、それを本業にも活かすことを多くの銀行が期待するようになるでしょう。

 私はそうした自律的な社員としての能力を「課題創造力」と呼んでいます。これから大きく変貌する金融業界では、1つの組織に留まって受け身で仕事をするよりも、自ら複数の仕事を経験してさまざまな知見を身につける「キャリア自律」ができる人材が求められると思います。

【次ページ】「週休3日制」「週休4日制」は活用すべきか?
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