- 2024/10/07 掲載
ChatGPTを使って「超・独創的アイデア」を得られる、まったくの“新しい方法”とは(2/3)
ChatGPTの回答が「平凡な優等生」のワケ
実際にChatGPTに「新しいアイデアをどう出したら良いか?」と聞いてみればすぐに分かるが、出てくるのはごくまともな方法、つまり、平凡な優等生の答えだけだ。逆向き勉強法のような奇想天外な方法は、ChatGPTは教えてくれない。なぜこのようなことになるのかと言えば、答えは簡単だ。平凡な優等生的な答えは、Webにたくさんある。ChatGPTはWebなどを参照しているので、それらのうちの多数意見を答えることになるのだ。ChatGPTが独自の評価軸を持っていて、それによってWebの文献を評価し、選別して答えているわけではない。
逆向き勉強法のような考えは、Webでは多数派でない。だからこのような方法は、ChatGPTに尋ねても出てこないのである。本当は優れている意見であっても、少数意見であれば、それを教えてくれることはない。
ChatGPTの答えが平凡な優等生のものになるのは、こうした事情による。それに従っていれば失敗することはないだろう。しかし、飛躍的な効果は期待できない。
革新的なアイデアは「人間にしか」生み出せない
逆向き勉強法のような奇想天外な考えは、人による評価の違いが大きい。強く支持する人もいるが、逆にまったく否定する人も多い。つまり、評価の分散が大きいのだ。このような考えは、ChatGPTに期待することはできない。そうした答えを得たいと思えば、自分で考えるしか方法はないのだ。
コペルニクスの地動説も、ガリレオの理論も、ニュートンの物理学も、それまでの多数派であった世界理解とは正反対の考えだった。これらが科学革命をもたらし、人類に新しい可能性を開いた。
現代においても同じことが言える。もしすべての人がChatGPTにアイデアを求めるなら、思想や理論の革命的な進歩は起こらなくなるだろう。創造的なアイデアや革新的な思想をChatGPTに求めるのは誤りだ。それらは、人間しか生み出すことができないものなのである。 【次ページ】【結論】正しく認識すべき「重大な意味」
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