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  • 2024/10/17 掲載

マイクロソフト西脇氏とパナソニックが語る、製造業が今すぐ生成AIを活用すべき理由

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生成AIは製造業において大きな変革をもたらす可能性を秘めている。本稿では、日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲氏が、最新AI技術が製造現場に与えるインパクトを紹介。そして、パナソニックコネクトの向野 孔己氏が、同社の独自AI「Connect AI」で業務生産性向上や社員のAIスキル向上を目指し、年間18万6000時間の削減を実現した事例に基づき、製造業ならではの生成AI活用方法を紹介する。
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製造業はすぐに生成AI活用を開始すべき

生成AIによって製造現場はどう変わった?

1ページ目を1分でまとめた動画
 生成AIが製造業に及ぼす影響について、西脇氏は「製造現場が変革するほどのインパクトはまだ起きていない」としながらも、「何が変わったかといえば、それはコンピューターとの向き合い方が変わった」と話した。

 従来、人がコンピューター能力を引き出すためには「プログラミング」が必要だった。たとえば、アプリケーションの実行にコマンドを入力することなど、人間側がプログラムに歩み寄る必要があった。プログラミングは入力が1文字足りない、誤入力するだけで動かない。そのため、人はコンピューターを使うためにコマンドを覚えてスキルアップする必要があった。

 しかし、生成AIは、自然言語で指示・対話が行える。これにより、誰でも、すぐに使うことができる。「スキルアップしなくても、何かをプログラミングしなくても使える。これが最大の変化だ」と西脇氏は述べた。

 すなわち、「世界中の英知、MBA(経営学修士)合格レベルの知識、医師免許試験の合格レベルの知恵、そして司法試験の合格レベルの賢さ、さらには画像や写真などを作り出す能力、これを誰でも使える」ということだ。さらに西脇氏は「製造業だからこそ生成AIを使いこなしてほしい」と話す。

 なぜなら、製造業の専門的知見にプラスして、生成AIを使いこなすエキスパートになることでより大きな変革を起こすことができるからだ。

生成AIの利用割合は主要国の中で日本が「最下位」

 しかし、生成AIを利用している個人の割合は、主要国の中で日本が最下位というのが実態だ。2024年1月にNRIセキュアテクノロジーが日・米・豪の3カ国で実施した「企業における情報セキュリティ実態調査2023」によれば、企業で生成AIを導入している割合は3カ国中最下位、さらに日本企業の1割が生成AIの利用を禁止している。

 西脇氏は「生成AIは、毎週のように新しい機能、サービスが発表されており、もはやテクノロジーの進化を待っている余裕がない」とし、早く利用開始することの重要性を訴えた。

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日本マイクロソフト
業務執行役員 エバンジェリスト
西脇 資哲氏

 生成AIを使う際に気をつけてほしいのが、従来の検索エンジンのように「日本 秋 風物詩」などのようにキーワードをスペースキーでつなぐような使い方だ。

「これは約20年間、私たちが行ってきた検索エンジンの作法。そうではなく、『日本においての秋の風物詩を10個教えて、箇条書きにして、それぞれ詳しい説明を入れて明日までに送ってください』と自然文で聞いてください」(西脇氏)

 また、生成AIは未来を予測するツールでない点にも注意したい。株価の予測、地震の予知など生成AIは答えることができない。西脇氏は「私たちの仕事を生成AIで6割から7割、助けてもらえば良い」と述べる。生成AIを相手に追加の質問をしたり、修正をしたりして、一緒に100%にするというアプローチが大事だということだ。

 こうした点を踏まえて、生成AIを使いこなす条件として、西脇氏は「仕事のゴールが明確になっていること」を挙げる。「いつまでに、何をやるべきかが明確なケースでは、それぞれの工程で生成AIが役に立つ」と西脇氏は述べる。また、「生成AIを使って何か新しいことをやろう」ではなく「今やっていることを生成AIでさらに自動化、省力化しよう」というアプローチのほうが成功しやすい。

 では、具体的にどんなことができるようになってきたのか、パナソニックコネクトの事例を含めてさらに詳しく見ていこう。 【次ページ】パナソニックコネクトの独自AI「Connect AI」のスゴさ
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